伊万里市長選で深浦弘信氏が3選を達成 苦戦を乗り越え現職が勝利
佐賀県伊万里市長選が2026年4月19日に投開票され、無所属で現職の深浦弘信氏(70)が3選を果たしました。深浦氏は元市副議長の加藤奈津実氏(42)と学習塾経営の井関新氏(70)という無所属の新顔2候補を破り、市政を継続することになります。
投票率は54.28%で前回を下回る
当日有権者数は4万1513人で、投票率は54.28%でした。これは前回選挙の58.80%から4.52ポイント低下した数字です。有権者の関心がやや低下する中での選挙戦となりました。
確定得票数は、深浦氏が11,088票、加藤氏が10,331票、井関氏が917票でした。深浦氏は約800票差で勝利を収め、接戦を制する形となりました。
「これほど苦しい選挙は初めて」と深浦氏
3選を決めた深浦氏は19日夜、後援会事務所で集まった支援者に向けて、「これほど選挙が苦しいと思ったのは初めてです。みなさんが毎日支えてくれたおかげで勝利できました。立候補表明が遅れたことで皆様に苦労をかけてしまいました」と語りました。
深浦氏は2期8年の実績として、財政の健全化や小中学校のエアコン設置、トイレ改修など教育環境の充実をアピールしました。豊富な行政経験を背景に、「頑張っている皆さんに報いるのが市長の一番の使命」と述べ、市民への感謝の意を示しました。
今後の市政方針と課題
深浦氏は3期目に向けた課題として、物価高騰対策に取り組むことを表明しました。また、国見台公園の整備など市の魅力づくりを進めると訴え、継続的な市政運営を約束しました。
さらに、1期目と2期目に続き、市長退職金(約2300万円)を辞退する意向を示しています。この姿勢が手堅い選挙戦略の一環となり、支持を固める要因となったようです。
対立候補の主張と敗因
加藤奈津実氏は「伊万里を大きく動かそうとした時、市議のままでは無理と思った」と述べ、初の女性市長をめざしました。市民の目線を市政に反映させるとし、にぎわいの創出や農業の振興、国や県との連携強化を掲げました。
しかし、42歳の若さと精力的な活動にもかかわらず、立候補表明が2月と遅かったことが影響しました。政策面で現職との大きな違いを打ち出せず、有権者に十分にアピールできなかったことが敗因と考えられます。
井関新氏は、同市黒川町で計画されている産業廃棄物最終処分場の建設に反対を掲げました。他の2候補が県の許可があり容認した上で環境保全に万全を期すという考えとは一線を画していましたが、この主張は有権者に浸透しませんでした。
今後の伊万里市政に期待
深浦弘信氏の3選により、伊万里市は継続的な市政運営が期待されます。財政健全化や教育環境整備といった既存の政策に加え、物価高騰対策や公園整備などの新たな課題にも取り組む姿勢が示されています。
一方で、投票率の低下や接戦となったことから、市民の市政への関心をいかに高めていくかが今後の課題となるでしょう。深浦氏は苦しい選挙戦を経験したことで、より一層市民の声に耳を傾ける市政を展開することが求められています。



