在日イラン人、母国攻撃で不安と期待交錯 家族との連絡途絶え情勢注視
在日イラン人、母国攻撃で不安と期待 家族連絡途絶え

在日イラン人、母国攻撃で揺れる心情 家族安否確認できず不安広がる

米国とイスラエルによるイラン攻撃が行われたことを受けて、日本国内で生活するイラン出身者たちの間に大きな動揺が広がっている。多くの人々が母国に残る家族や知人の安否を心配し、連絡が取れない状況に不安を募らせている。同時に、最高指導者ハメネイ師が殺害されたことが明らかになり、早期の情勢安定を願う声と、長年の抑圧からの解放を期待する声が交錯する複雑な状況が生まれている。

家族との連絡途絶え「無事であってほしい」と切実な願い

千葉県内に住むイラン出身の男性(60)は、攻撃が行われた2月28日午後に、テヘランに住む妹から緊急の電話を受けたという。しかし、その一通の連絡を最後に、妹との電話が全くつながらなくなってしまった。現地にいる他の知人たちとも連絡が取れない状態が続いている。

男性は「戦争が始まったという連絡を受けた直後から、一切の通信が途絶えてしまった。不安で仕方がない。早く家族の安否を知りたい。何よりも、無事であってほしいと願うばかりだ」と心情を明かした。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

複雑な歴史的背景と今後の体制への懸念

今回の攻撃について、この男性は「単純に米国やイスラエル、イランのどちらが悪いとは言えない」と述べ、問題の複雑さを指摘した。イランの反米路線は、1979年のイラン革命にその源流があり、当時の親米政権への強い反発が現在の体制につながっている。ハメネイ師は、革命を率いたホメイニ師の死去を受けて1989年に大統領から最高指導者の座に就き、絶対的な権力を保持してきた。

男性は「親米政権の時代が良かったのか、現在の体制が良かったのか、私には判断できない。ただ、今後の体制がどうなるのかについて強い不安を感じている。武力による解決が本当に最善の道なのか疑問も残る」と語った。

武力攻撃を歓迎する声も 抑圧からの解放期待

一方で、東京・吉祥寺でペルシャ絨毯店を営む別のイラン出身者(45)は、今回の攻撃を「長年の抑圧からの解放の契機になるかもしれない」と前向きに捉えている。この人物は「政府によるデモ弾圧で甥が犠牲になった経験がある。多くの国民が体制に不満を抱えながらも、声を上げられない状況が続いてきた」と背景を説明した。

「ハメネイ師の支配下では、基本的な人権さえ十分に守られていなかった。今回の出来事が、より自由で民主的な社会への転換点となることを願っている」と期待を込めて語った。

在日コミュニティで広がる情報収集の動き

攻撃発生後、日本各地のイラン人コミュニティでは、母国の状況を把握しようとする動きが活発化している。東京都港区のイラン大使館近くでは3月1日午後、数十人が集まり、情勢について意見を交わす集会が開かれた。参加者たちはスマートフォンで最新情報を確認しながら、今後の展開について真剣な議論を繰り広げていた。

ある参加者は「大使館からの正式な情報は限られている。ソーシャルメディアや国際ニュースを通じて、できるだけ多くの情報を集めているが、真偽の判断が難しい」と現状を説明した。

専門家指摘「中東情勢の重大な転換点」

国際関係の専門家は、今回の攻撃とハメネイ師の殺害が、中東情勢における重大な転換点になると分析している。イランは地域における重要なプレイヤーであり、その指導体制の変化は、周辺諸国との関係や核開発問題、エネルギー供給など多方面に影響を及ぼす可能性が高い。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ

特に、1979年のイラン革命以来続いてきた現体制が根本から揺らぐ中、国内では権力闘争が激化する恐れがあり、治安悪化や難民発生など二次的な問題が生じるリスクも指摘されている。

在日イラン人たちは、こうした専門家の見解にも注意を払いながら、母国の未来と自分たちの帰る場所について、複雑な思いを抱き続けている。