レバノンに拠点を置く親イラン武装組織ヒズボラの指導者ナイム・カセム師は4日、声明を発表し、レバノン南部からの撤退を拒否するとともに、戦闘を継続する意向を示唆した。この発言は、イスラエルとレバノン両政府が3日に合意した「停戦の実施」に反するものであり、米国とイランの間で進められている核交渉の行方に一層の不透明感をもたらしている。
撤退拒否の声明
カセム師は声明の中で、レバノン南部からの撤退は「降伏であり、敗北であり、敵の目的達成に等しい」と強く反発し、代わりにイスラエル軍の撤退を要求した。ヒズボラはイスラエルとレバノンの停戦協議に参加しておらず、両国の合意内容にはヒズボラの攻撃停止と南部からの撤退が含まれていたため、同組織の対応が注目されていた。
戦闘の継続
イスラエルとレバノンの間では4日も戦闘が続き、AFP通信によると、イスラエル軍はレバノン南部と東部の40か所以上を空爆し、少なくとも8人が死亡した。また、ヒズボラとの交戦でイスラエル軍の兵士1人も死亡している。戦闘の激化は、停戦合意の実効性に疑問を投げかけている。
米イラン交渉への影響
イランは対米交渉の実施条件として、レバノンでの戦闘停止を要求している。ヒズボラの撤退拒否は、イランの要求を弱体化させる可能性があり、交渉の進展をさらに困難にしている。一方、トランプ米大統領は4日、ホワイトハウスで記者団に対し、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相およびヒズボラの代表とそれぞれ協議したことを明らかにし、「進展があった」と主張した。さらに、「レバノンに平和が訪れるならば本当に素晴らしいことだ」と述べ、楽観的な見方を示した。
しかし、ヒズボラの強硬姿勢と戦闘の継続により、地域の安定は依然として遠い。米国とイランの交渉は、レバノン情勢の展開に大きく左右される可能性が高い。



