米通商代表部(USTR)は24日、欧州連合(EU)と共同で、重要鉱物のサプライチェーン(供給網)強化に向けた行動計画を策定したと発表した。市場で支配的な地位を占める中国への依存を減らすため、安価な輸入品の流入に対抗する貿易措置を取ることで協調する。
行動計画の概要
行動計画では、特定の重要鉱物に関する「最低価格制度」の導入検討が盛り込まれた。中国からの輸入品との価格差を埋めるため、追加関税を課すことなどが検討されている模様だ。これにより、中国が低価格で市場を席巻するのを防ぎ、米国やEU域内での生産を促進する狙いがある。
日本との連携
米政府は、同様の行動計画を日本とも既に策定済みである。個別に連携を強化しつつ、対中国包囲網の枠組みを先進7カ国(G7)を含む有志国に広げる構えだ。今後、韓国やオーストラリアなど、重要鉱物の生産や精製で重要な役割を果たす国々との協力も視野に入れている。
背景と今後の展開
重要鉱物は、電気自動車のバッテリーや半導体、再生可能エネルギー技術に不可欠であり、中国はリチウム、コバルト、レアアースなどの精製工程で世界の約60~80%を占めている。米EUは、供給途絶リスクを低減するため、鉱山開発からリサイクルまでのサプライチェーン全体の多角化を目指す。行動計画には、研究開発投資の拡大や、環境基準を満たした採掘の推進も含まれている。
専門家は、最低価格制度の導入がWTO(世界貿易機関)協定に抵触する可能性を指摘するが、米EUは国家安全保障を理由に例外的措置を正当化する方針とみられる。今後の具体的な措置の内容や、中国の反応が注目される。



