セイコー社長、日中貿易の円滑化を強く要請 レアアース問題で製造現場に懸念の声
スイス・ジュネーブで開催中の世界最大級の高級時計見本市「ウォッチズ&ワンダーズ(WW)」の会場において、セイコーウオッチの内藤昭男社長が朝日新聞の取材に応じ、日中関係の冷え込みが時計の製造現場に直接的な影響を及ぼしているとの認識を示しました。内藤社長は「貿易が阻害される要因は作ってほしくない」と強調し、両国間の経済交流の重要性を訴えました。
レアアースの安定調達が製造の鍵
時計の部品製造にはレアアースが不可欠であり、その安定した供給が業界全体の課題となっています。内藤社長は、エネルギー価格の上昇よりも、レアアースの調達問題がより直接的かつ深刻な影響を与えると指摘。中国はレアアースの主要な供給国の一つであり、外交関係の悪化が調達ルートを脅かす可能性があることから、貿易障壁の回避が急務であると述べました。
業績好調も一過性ではないと自信
セイコーウオッチは株価が3.6倍以上に上昇し、業績も好調を維持しています。内藤社長はこの成長について「一過性のものではない」と断言し、高品質な製品とグローバルな販売戦略が持続的な成功をもたらしていると説明しました。しかし、その基盤となる製造プロセスが国際情勢に左右される現状には、強い懸念を表明しています。
今回の取材は4月17日に実施され、内藤社長は時計産業の未来にとって、日中貿易の円滑化が不可欠であるとのメッセージを発信しました。国際的なサプライチェーンが複雑化する中、政治的要因による貿易阻害が業界全体に与えるリスクは大きく、早期の対策が求められています。



