【ワシントン共同】米商務省が1日発表した2026年1~3月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、年率換算で前期比2.0%増となり、市場予想を上回る堅調な結果となった。人工知能(AI)関連の設備投資が成長を牽引したが、ホルムズ海峡の混乱に伴うインフレ加速が個人消費に影響を及ぼし、エコノミストの間からは先行き減速を予測する声が上がっている。
設備投資が11四半期ぶりの大幅増
設備投資は前期比10.4%増と、前期の2.4%増から大幅に拡大し、2023年4~6月期以来11四半期ぶりの高い伸びを記録した。特にAI関連の情報処理機器などへの投資が増加し、成長を大きく押し上げた。企業のIT投資意欲は依然旺盛で、データセンターや半導体製造装置などへの支出が拡大している。
個人消費はインフレで減速感
一方、GDPの約7割を占める個人消費は前期比1.8%増と、前期の2.5%増から伸びが鈍化した。ホルムズ海峡の緊張によるエネルギー価格の上昇が物価全般を押し上げ、実質購買力を低下させた。特に耐久財消費が弱く、自動車や家電などの購入が控えられる傾向にある。エコノミストは「インフレが消費マインドを冷やしつつある」と指摘する。
FRB議長は強気の見方
連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は4月29日の記者会見で「米国経済は強靭さを持ち、底堅く推移している」と述べ、現状の成長ペースを評価した。しかし、市場では年内の利下げ観測が後退し、長期金利は上昇傾向にある。
先行きは不透明感も
インフレの持続や地政学的リスクに加え、雇用市場の過熱感も懸念材料だ。エコノミストの間では「4~6月期以降は個人消費の減速が顕在化し、GDP成長率は2%を下回る可能性がある」との見方が広がっている。政府の追加経済対策やFRBの金融政策が今後の焦点となる。



