FBIが米紙記者を捜査、長官の交際相手報道を巡りストーカー行為疑い
米紙ニューヨーク・タイムズは4月22日、同紙の記者が連邦捜査局(FBI)からストーカー行為の疑いで捜査を受けていたと報じた。この捜査は、FBIのクリストファー・パテル長官の交際相手に関する記事を書いた記者を対象としたものだ。司法省内では記事に対する報復捜査との懸念が示され、現在は捜査が止まっているという。
記事内容と捜査の経緯
問題の記事は2月末に公開され、パテル長官の交際相手の女性がFBIの特殊部隊員による警護や送迎を受けていると報じた。これは公権力の私的利用に当たると指摘されており、記者は取材過程で女性や多数の関係者と接触していた。
同紙によると、記事公開の数日後からFBIが記者の積極的な取材活動がストーカー行為に該当するかどうかの捜査を開始した。しかし、司法省内で懸念が高まり、捜査を進める法的根拠はないと判断されたため、捜査は停止されたという。
報道の自由を巡る批判
ニューヨーク・タイムズのカーン編集主幹はこの捜査を強く批判している。「通常の取材活動を犯罪化しようとしたことは報道の自由の侵害であり、ジャーナリストによる監視への妨害だ」と述べ、FBIの対応を問題視した。
この事件は、トランプ政権が意に沿わない主要メディアの報道を敵視し、圧力をかけているという背景も浮き彫りにしている。政権とメディアの緊張関係が、捜査機関の行動に影響を与えた可能性が指摘されている。
司法省の対応と今後の展開
司法省内では、FBIの捜査が記事に対する報復的な意図を持っていたのではないかとの懸念が広がった。その結果、捜査の継続には法的根拠が不十分と判断され、現在は事実上停止されている状態だ。
この件は、政府高官の私生活に関する報道と、ジャーナリストの取材活動の境界線を巡る議論を再燃させている。米国では報道の自由が憲法で保障されているが、公権力とメディアの関係が緊迫する中、今後の動向が注目される。



