タイのランドブリッジ構想が再燃
タイ南部で長年実現していない巨大インフラ「ランドブリッジ」構想が、中東のホルムズ海峡情勢を機に再び注目を集めている。マレー半島の幅が狭まる地域で、東のタイ湾と西のアンダマン海をつなぐ陸上輸送路を建設し、マラッカ海峡の海上輸送の代替を目指す計画だ。「海峡封鎖」のリスク回避になると期待されるが、採算性を疑問視する指摘もある。
計画の概要
政府が2024年にまとめた計画書によると、約100キロ離れたタイ湾のチュムポン港とアンダマン海に面するラノーン港の間に高速道路や鉄道、油送管を整備する。一方の港に到着した船の積み荷を陸送し、反対側の港で別の船に積み込む仕組みだ。
輸送期間短縮とコスト削減
計画書は、船で南に迂回してマラッカ海峡を通るよりも、最大4日の輸送期間短縮とコスト削減が見込めると試算している。マラッカ海峡は年間約10万隻が通過する要衝であり、需要は十分と見込む。
歴史と再燃の背景
ランドブリッジは1980年代後半から構想が持ち上がった。今年4月に発足したアヌティン政権は改めて推進を打ち出した。イランや米国のホルムズ海峡封鎖の混乱を指摘し、自国で管理できる輸送路確保の重要性を強調している。
課題と展望
しかし、巨額の投資に見合う採算性が確保できるかは未知数であり、専門家の間では懐疑的な見方も根強い。今後の動向が注目される。



