台湾の頼清徳総統は8日、立法院(国会)で野党が政府提案の防衛特別予算案を大幅に減額して可決したことに対し、「不完全な答え」だと強く批判した。政府が提出した当初案は総額1兆2500億台湾元(約6兆2千億円)だったが、野党主導の修正により約6割の7800億台湾元に削減された。この結果、中国に対抗するための無人機生産や新たな防空システム構築に必要な計画が大幅に遅れる可能性があると指摘した。
野党案の内容と問題点
台湾メディアによると、8日に可決された野党案には、高機動ロケット砲システム「ハイマース」や自走砲など、米国からの武器購入費用が含まれている。しかし、国防部(国防省)や頼氏によれば、新たな防空システム「台湾の盾」の構築に不可欠な迎撃ミサイル製造や、無人機の国内生産強化に充てられる費用は削除された。これにより、台湾の防衛力向上に重要な部分が欠落した形となっている。
総統の懸念と今後の見通し
頼総統は、この減額が台湾の国家安全保障に深刻な影響を及ぼすと警告。特に、無人機や迎撃ミサイルの国産化は、外部からの供給に依存せずに防衛力を維持する上で極めて重要だと強調した。また、中国の軍事圧力が高まる中、防衛費の削減は適切でないとの認識を示した。今後の政局では、与野党間の対立がさらに深まる可能性があり、台湾の防衛政策を巡る議論は続きそうだ。



