「縮小社会」の新発掘調査を模索、奈文研がプロジェクトチーム発足へ
「縮小社会」の新発掘調査模索、奈文研がプロジェクトチーム発足

奈良文化財研究所(奈文研、奈良市)は10日、将来の人口減少や行政予算の縮小による「縮小社会」を見据えた新しい遺跡調査の形を探るプロジェクトチームを立ち上げたと発表した。同時に、未来の文化財研究・保全に必要な「遺産科学」のナショナルセンターを目指す「奈文研パーパス2027」を策定した。

背景と目的

少子高齢化や人件費上昇が進む中、遺跡や遺物などの埋蔵文化財調査の省力化、効率化、期間短縮は急務である。来年創立75周年を迎える奈文研は昨年秋、組織横断的に技術開発に取り組む「フィールドワーク・イノベーション・プロジェクトチーム(FWIPT)」を発足させ、今春から本格活動を開始した。

3つのワーキンググループ

FWIPTは三つのワーキンググループ(WG)で構成される。

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  • 次世代遺跡調査WG:発掘調査の進行状況をGIS(地理情報システム)上に3次元情報として記録し、遺構の図面化や3Dモデル化、AIによる出土瓦の文様自動識別技術などを開発する。
  • 宮跡DXサイト・ミュージアムWG:平城宮跡や飛鳥・藤原宮跡をフィールドに、遺構の3次元情報を活用した「デジタル遺跡博物館」を提案する。
  • 宮跡マネジメントWG:宮跡の遺構分布に加え、埋設物や水路などの位置情報をデジタル技術で統合し、効率的な発掘調査や遺構整備計画の策定技術を確立する。

所長の展望

本中眞所長は「平城宮跡を歩きながら地中の遺跡を目の前に見ることができる、ワクワク感のある技術をDX(デジタル化)の力を借りて実現し、社会に還元したい」と語った。

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