ドイツの週刊誌シュピーゲル(電子版)は8日、ドイツのメルツ首相とフランスのマクロン大統領が、両国とスペインによる次世代戦闘機の共同開発計画を中止することで合意したと報じた。この報道が事実であれば、トランプ米政権が欧州の安全保障に消極的な姿勢を示す中、独自の防衛力強化を目指してきた欧州にとって大きな打撃となる。
中止された計画の背景
中止が伝えられたのは、独仏両国とスペインが進める「将来戦闘航空システム(FCAS)」と呼ばれる次世代戦闘機の共同開発プロジェクトである。この計画は、2030年代以降の運用を見据え、最新のステルス技術やネットワーク戦闘能力を備えた戦闘機を開発することを目的としていた。
主導権争いが難航
しかし、プロジェクトは参加する航空機メーカー間の主導権争いにより難航していた。ドイツのエアバスとフランスのダッソー・アビアシオンが主導権を巡って対立し、開発の進捗に遅れが生じていた。独仏首脳はこの問題を解決するために協議を重ねてきたが、最終的に中止という結論に至ったとみられる。
この決定は、欧州の安全保障政策に深刻な影響を及ぼす可能性がある。特に、米国の安全保障へのコミットメントが不透明になる中、欧州独自の防衛能力強化が急務とされているだけに、今回の共同開発中止は欧州の結束に影を落とすことになる。



