国連総会は3日、安全保障理事会(安保理)の非常任理事国のうち5か国を改選する選挙を実施し、中央アジアのキルギスが初めて選出された。アジア・太平洋枠ではフィリピンが選出されると見込まれていたが、落選する結果となった。フィリピンと対立する中国による根回しがあった可能性が指摘されている。
キルギスの戦略が奏功
初の非常任理事国入りを果たしたキルギスのエディル・バイサロフ駐米大使は取材に対し、「我が国が『グローバル・サウス』(新興国・途上国)を代表する声となると訴えた戦略が功を奏した」と述べ、笑顔を見せた。
選挙の背景と各国の対応
選挙は秘密投票で行われ、各国の投票先は明らかにされていない。しかし、高市首相は5月の日比首脳会談でフィリピンの非常任理事国入りへの支持を表明しており、米国もフィリピンを支持したとみられる。
キルギスは中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」に参加し、中国との結びつきを強めている。中国外務省によると、中国の王毅(ワンイー)外相は5月26日、キルギスのジェエンベク・クルバエフ外相とニューヨークで会談した。調査研究機関「国際危機グループ」のリチャード・ゴーワン国連担当部長は、「中国はフィリピンに投票しないよう各国を説得して回っていた」と指摘した。
西欧・その他枠でも波乱
西欧・その他枠でもドイツが落選する波乱が起きた。ドイツのヨハン・ワーデフール外相は、ウクライナを支持するドイツに対し、「ロシアが反対運動を展開した」と主張した。
今回の選挙結果は、国際社会における勢力図の変化を反映しているとの見方もある。非常任理事国は2年の任期で、国際平和と安全保障に関わる重要な決定に参加する。



