「ポケふた大事にしてください」。交流サイト(SNS)上で流れてきたある投稿が、目に留まった。全国で設置が進む人気ゲーム「ポケットモンスター」のキャラクターをあしらったマンホールふたを巡り、騒動になったという。気になって調べると、県内にある9枚のポケふたのうち、4枚が豊橋市に集中していた。なぜ? 深まる疑問の答えをゲットするため、取材を始めた。
騒動のきっかけは那覇市の国際通り
騒動のきっかけは、先月に那覇市の「国際通り」で起きた出来事だった。あるファンがポケふたを目当てに訪れた設置場所では、イベントが開催中。ふたが出展者のパイプいすに踏まれて写真撮影できなかったことをX(旧ツイッター)に投稿すると、「観光資源としてもっと大事に扱うべきだ」「ポケモンファンでない人にとってはただのマンホール」などの意見対立が続いて紛糾したのだ。
「こんなに議論になったり、わざわざ沖縄まで見に行く価値のあるポケふたって、いったい何だろう?」 興味を引かれて調べると、ポケふたは“本家”のゲームを制作する株式会社ポケモン(東京)が全国の自治体に無償提供していた。
ポケモン社の狙いと全国の設置状況
同社の問い合わせフォームから質問すると、現在の設置数は全国41都道府県に470枚。設置の狙いについては「ポケモンと地域の魅力を同時に国内外に発信すること、その地域を訪れるきっかけとなることを目指している」とメールで回答があった。
同社が各都道府県ごとのふたの位置を公開しているサイトによると、県内では名古屋、瀬戸、常滑、刈谷、西尾市にも設置されているが、複数枚あるのは豊橋市だけ。4枚もあるのは全国的にも異例なようだ。
なぜ豊橋市に4枚? 市職員の推理
「なぜですか?」。市に問い合わせると、ある職員が少しの沈黙の後、「はっきりとは分からないのですが…」と、推理を始めた。
4枚のポケふたが設置されたのは2022年7月。豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)内の市自然史博物館で企画展「ポケモン化石博物館」が開催されたことをきっかけに寄贈を受けたという。全国巡回の展示だが中部地区では初開催だったといい、当時市観光プロモーション課で寄贈を担当していたこの職員は「ポケモンの力を借りて豊橋を盛り上げたい市側と、企画展にたくさんの人を呼び込みたいポケモンさん側の思惑が一致したのかもしれません」と振り返る。
豊橋ならではのデザイン
ポケモンキャラクターとともに手筒花火や路面電車、市花のツツジなど豊橋にちなんだ独自デザインばかりのポケふたは、同公園内のほかに豊橋駅南口広場と豊橋公園、道の駅とよはしにある。全国からファンが訪れるため、市は定期的に清掃や点検をして維持管理しているという。刈谷市と西尾市も、刈谷ハイウェイオアシスと市歴史公園にそれぞれ設置されたふたの盗難対策などに努めている。
ポケふたが秘める地域振興の可能性
各自治体が気を配って管理しているポケふたは大切な観光資源であり、「ただのマンホール」ということはないだろう。今回の取材でポケふたが秘める地域振興の可能性を強く感じた。



