トランプ米大統領は4日、総額7億ドル(約1100億円)規模を投じて国内の石炭産業の再建を支援すると発表した。この施策は、2013年以来となる石炭火力発電所の新設や、既存の発電所の維持、さらに石炭輸出ターミナルの建設などに充てられる。
脱炭素に逆行する石炭重視政策
石炭は燃焼時に大量の温室効果ガスを排出することが問題視されており、世界的な脱炭素の流れに逆行する動きとなる。トランプ氏はホワイトハウスでの記者会見で「エネルギー価格と生活費を下げる歴史的な措置を講じる」と主張し、「中国や、成功している多くの国々を見れば、石炭を使っている」と述べ、石炭の重要性を強調した。
電力需要増加への対応
人工知能(AI)開発に伴うデータセンターの増加などにより、米国内の電力需要は急増しており、電気代は上昇傾向にある。トランプ政権は、安定した電力供給の確保と価格抑制を目的に、石炭火力発電の維持・拡大を打ち出した。
具体的な投資計画
米メディアによると、アラスカ州と南部ウェストバージニア州で計画する石炭火力発電所の新設に、合計1億8500万ドルを投じる。また、10カ所以上の既存の石炭火力発電所に対しては、国防生産法に基づき、戦時などの重要局面で民間企業を統制する大統領権限を活用し、4億2500万ドルを充てる。さらに、残りの資金は石炭輸出ターミナルの建設などに使用される。
批判と今後の展望
環境保護団体や一部の民主党議員からは、気候変動対策を後退させるものだとの批判が上がっている。しかし、トランプ氏は「米国のエネルギー安全保障と雇用創出に不可欠だ」と反論しており、今後の政策実行が注目される。



