石油化学工業協会が23日発表した2026年3月の生産実績によると、基礎化学品であるエチレンの国内設備稼働率は前年同月比6.5ポイント減の68.6%となり、1996年1月の統計開始以来、最も低い水準を記録した。
稼働率低下の要因
国内に12基あるエチレン生産設備のうち4基が定期修繕に入っていたことに加え、中東情勢の緊迫化により原料ナフサの調達が困難になったことも影響した。各社は中期的な視点から減産体制を取っており、エチレン生産量は27万2600トンで前年同月比38.8%減少した。一般的にエチレン設備は稼働率が80%を下回ると赤字とされる。
過去最低の更新
これまでの最低記録はリーマン・ショック後の2009年3月の74.1%だったが、今回それを大きく下回った。エチレンを含む18の主要化学品の2026年3月の生産量は前年同月比10~72%減少した。
供給面への影響
一方、ポリエチレンなどの4大樹脂の国内出荷量に大きな落ち込みは見られなかった。同協会は、在庫を活用することで国内への製品供給は「全体として維持している」と説明。ポリエチレンやポリプロピレンなどの主な製品では国内需要の3カ月以上の在庫があり、「ただちに供給困難となる状況ではない」として、取引先に冷静な対応を呼びかけている。



