農地の太陽光発電、規制強化へ 営農継続条件なのに農業しない事例も
農林水産省は、農地の上で太陽光発電を行うソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)について、許可条件を厳しくする方針を固めた。設置後にほとんど農業をしていないケースが散見されるためで、販売実績など新たな認定の条件を追加する。
背景と現状
農地に太陽光パネルを設置するには、市町村の農業委員会から農地の一時転用許可を得る必要がある。農水省によると、2023年度までに6137件の許可が下り、23年度末時点で5167件の発電設備が稼働している。
営農の継続が条件となっているが、作物の収穫量が大幅に減少したり、生育不良が発生したりしているケースが1221件(約24%)に上る。さらに、地域で普及しておらず販路もない作物を作っていたり、生育管理を怠ったりするなど、売電目的だけで農地を利用していると見られる事例も確認された。
新たな基準の導入
農水省は、農業振興と再生可能エネルギー普及の両立を図るため、新たな基準を設ける必要があると判断。農山漁村再生可能エネルギー法の基本方針に書き加える方針だ。
具体的には、パネル下で栽培する作物の販売実績や、農業収入の報告を義務付けるなどの条件を追加する予定。これにより、営農が形骸化するのを防ぎ、真に農業と発電を両立する取り組みを促進する。
今後の見通し
今回の規制強化により、ソーラーシェアリングの認定プロセスが厳格化される。農水省は、農業委員会の審査基準を明確化し、適切な運用を図る方針だ。また、既存の許可案件についても、実態調査を強化し、必要に応じて是正指導を行うとしている。



