小笠原村長、南鳥島での核ごみ文献調査を国に容認と回答
2026年4月20日、東京都小笠原村の渋谷正昭村長は、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定をめぐり、国が申し入れた南鳥島での文献調査について、「国が実施する判断をすれば受け入れる」との回答文書を赤沢亮正経済産業相に提出した。この回答は、国が判断するべきだとした上での条件付きの容認姿勢を示すものだ。
村長の回答と要請事項
渋谷村長は同日午前、経済産業省資源エネルギー庁の村瀬佳史長官に回答文書を手渡した。文書では、国の判断を受け入れる一方で、以下の5点の要請事項・意見を明記している。
- 国から他の自治体にも文献調査の申し入れを行うべきであること。
- 文献調査が行われたことをもって、南鳥島に処分場を建設すると決めたわけではないことを確約すること。
- 他の自治体への新たな申し入れがあるまで、村は次の段階(概要調査)についての意見表明をしないこと。
これにより、村は調査実施に前向きな姿勢を見せつつも、処分場決定への早期化を警戒する姿勢を明確にした。
調査の背景と今後の展開
国は今年3月3日、村からの手挙げや議会での議決がない段階で、選定プロセスの第1段階にあたる文献調査を南鳥島で実施することを村に申し入れていた。調査が始まれば、北海道の寿都町と神恵内村、佐賀県玄海町に続いて4例目となる。
村の回答に対する国の判断は、21日以降に赤沢経産相から渋谷村長に伝えられる予定だ。これにより、南鳥島が核ごみ処分場候補地として正式に調査対象となるか否かが注目される。
地域と国の課題
南鳥島は小笠原諸島に属する孤島で、これまで最終処分場候補地として急浮上した経緯がある。渋谷村長の回答は、国全体の責任で処分場問題に取り組むべきだとの立場を反映しており、単一地域への負担集中を避けたい意向がうかがえる。
この問題は、エネルギー政策と地方自治の在り方を問う課題として、今後も議論が続く見込みだ。国は村の要請を踏まえ、他の自治体へのアプローチを含めた広範な対応が求められる。



