AI活用の新素材開発拠点、28年度設置へ 半導体・電池対象、年3万人育成目標
AI活用の新素材開発拠点、28年度設置へ 半導体・電池対象

政府は、人工知能(AI)を活用した新素材開発のための産官学連携拠点を2028年度に設置する方針を固めた。内閣府の「マテリアル戦略有識者会議」が開発力強化に向けた工程表に盛り込み、12日に小野田経済安全保障相へ提出する。半導体や電池など産業に不可欠な素材を対象とし、専門人材を年間3万人育成する目標も掲げ、開発力の底上げを図る。

拠点の概要と運用計画

工程表は2030年度までに取り組むべき目標をまとめたもので、2028年度に「AIを用いた素材開発拠点」を設置し、2年以内に本格運用する方針を明記。具体的には、文部科学省所管の物質・材料研究機構と経済産業省所管の産業技術総合研究所が中核となり、新拠点を設置する。素材メーカーなどの企業は資金を拠出して運営に参画し、大学も実験データの提供などで連携する。

AIによる開発加速

新拠点では、参画企業などが素材開発に活用できるAIを開発。蓄積された膨大な実験データに基づき、AIを活用して24時間体制で新素材候補の探索、設計、分析を繰り返す実験設備を整備する。これにより、通常数十年かかる開発速度を10倍に加速する。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

対象分野と国際連携

対象となるのは、国内中核産業の自動車分野のほか、半導体、資源エネルギー、核融合発電など、政府が重点投資対象に定める「戦略17分野」に関連する新素材。レアアースやナフサなど輸入依存の物資を使わない代替素材の開発も進める。

新素材開発は、米国の国家プロジェクト「ジェネシス・ミッション」の対象であり、日本は初の国際パートナーとして参画。新拠点ではこの枠組みを活用し、米国との共同研究を加速させる。欧州やシンガポールなど素材開発に強みを持つ国々とも連携する方針だ。

人材育成目標

工程表では、AIを駆使できる開発人材を年間3万人育成する目標も掲げる。政府は産業界の要望を踏まえ、具体的に必要な技能を公表し、習得カリキュラムを作成する。内閣府幹部は「素材産業は日本経済を支える要だ。AIを活用して国際競争力を強化したい」と述べている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ