iPS細胞作製の自動化装置をパナソニックHDが開発、京大と連携し2028年度製品化へ
パナソニックホールディングス(HD)は、人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製工程を自動化する装置を開発し、2026年4月20日に大阪市内の京都大学iPS細胞研究財団の施設で報道陣に公開しました。これまで熟練者の手作業に依存していた細胞作製が、自動化によって効率化されることで、コスト低減や品質の安定化が大きく期待されています。
自動化によるコスト削減と品質向上の可能性
iPS細胞は、再生医療や創薬研究において重要な役割を果たしていますが、その作製工程は複雑で、高度な技術を要する手作業が主流でした。パナソニックHDが開発した装置は、血液から細胞を作る工程を自動化し、試薬の添加や温度管理を適切なタイミングで行います。これにより、従来の手作業に比べて、人為的なミスを減らし、均一な品質の細胞を安定的に生産できる見込みです。
装置は高さ75センチ、横70センチ、奥行き45センチとコンパクトなサイズで、内部は密閉された空間となっています。この設計により、外部からの汚染を防ぎ、清潔な環境での細胞作製が可能になります。血液成分を装置に入れるだけで、約2~3週間でiPS細胞が作製され、その後、培養を経て治療や研究に活用できるようになります。
京大との連携と今後の展望
パナソニックHDは、京都大学iPS細胞研究財団と緊密に連携し、実証実験を進めています。この協力体制により、装置の性能や実用性を検証し、2028年度の製品化を目指しています。将来的には、1人の作業者が複数台の装置を管理することで、iPS細胞の大量生産が実現可能となり、医療現場での需要増に対応できると見込まれています。
自動化装置の導入は、iPS細胞関連の研究や治療のコストを大幅に削減し、より多くの患者へのアクセスを可能にするでしょう。また、品質の安定化により、安全性の向上も期待されており、再生医療分野の発展に大きく貢献することが予想されます。
パナソニックHDの担当者は、「この装置がiPS細胞技術の普及を後押しし、社会全体の健康増進に役立つことを願っています」とコメントしています。今後の実証実験の結果に注目が集まります。



