プラネタリウムクリエイター大平貴之、宇宙飛行士も絶賛の投影機を作り続ける原動力
プラネタリウム大平貴之、宇宙飛行士も絶賛の投影機

高校時代から始まったプラネタリウムへの情熱

プラネタリウムクリエイターの大平貴之さん(56歳)は、高校時代にすでに高性能の投影機を完成させていた。その後、大学に進学し、さらに専門的な知識や技術を学び、世界を驚かせるプラネタリウム作りに挑戦し続けている。

大学での学びと休学

大平さんは「日本大学第二高校から推薦で日本大学に進学し、機械工学を学びました。機械だけでなく、電気やソフトウェアなど幅広い技術に触れることができました。おかげで、独学で作っていた『日曜大工』のようなプラネタリウムが、少しずつ工業製品と呼べるレベルに変わっていったんです」と振り返る。

しかし、授業との両立は非常に困難で、大学2年の終わりに1年間休学し、プラネタリウム作りに専念することを決意。製作には多額の費用がかかるため、コンビニや塾講師など様々なアルバイトを経験した。特に電源装置を製造する会社でのアルバイトは貴重で、社員から専門知識を学び、職場の設備も使用させてもらったという。

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アストロライナーの開発

3年の歳月をかけて完成させたのが『アストロライナー』だ。従来のピンホール式とは異なり、レンズ式を採用。32枚のガラス板に微小な穴を開け、光を通して星を映し出す仕組みで、ピンホール式よりも鮮明な星の投影を実現。その後も改良を重ねた。

社会人になっても衰えない情熱

大学院修了後、大平さんは大手電機メーカー・ソニーに就職。プラネタリウム作りの実績をアピールしての入社だった。自分の時間は減ったが、給料を開発資金に充て、仕事後や休日を利用して製作を継続。1998年、ついに『MEGASTAR(メガスター)』を完成させる。

メガスターは、金属の原版にレーザーで微細な穴を開け、150万個もの星を映し出す小型投影機。国際プラネタリウム協会のロンドン大会で発表すると、会場は大きな拍手に包まれた。「あの瞬間は今でも忘れられません」と大平さんは語る。

2004年には日本科学未来館と共同で、560万個の星を映し出す新型メガスターを製作。当時館長だった宇宙飛行士の毛利衛さんから「宇宙で見た星空そのものだ」と絶賛され、大平さんは「本当にうれしかった」と述懐する。

プラネタリウムで伝えたいこと

「『プラネタリウムを通して何を伝えたいのか』とよく尋ねられるのですが、昔はうまく答えられませんでした。でも、今は少し違います。まず、宇宙にはこんなにもたくさんの星があるんだということを感じてほしい。そして、その広大な宇宙の中の一つの星に私たちが生きていることを実感してほしい。そうすると自分自身のことや毎日の生活について改めて考えるきっかけになる気がするんです」と大平さんは語る。

中高生へのメッセージ

自身の経験を振り返り、大平さんは中高生に次のようなメッセージを送る。「僕は子どもの頃からプラネタリウムだけに夢中だったわけではありません。カメラに熱中した時期もあれば、ロケット作りにのめり込んだこともありました。その時、その時で興味を持ったものに夢中だっただけなんです。中高生は周りから『将来何になりたい?』とよく聞かれると思います。でも、僕は無理に夢を持つ必要はないと考えています。ただ、もし夢を持ちたいと思うなら、自分が本当に感動できるものを探してほしい。そのためには色々な経験をすることが大切です。同じ経験をしても、それをどう感じるかは人それぞれです。自分は何に心が動くのか、どんな生き方が向いているのか、多くのものに触れることで少しずつ見えてくるはずです」

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