半導体キオクシア、巨額赤字から一転最高益へ 「一本足打法」の真実
半導体キオクシア、巨額赤字から一転最高益へ その理由

深掘り「一本足打法」の半導体キオクシア 巨額赤字から一転、最高益のなぜ

半導体メモリー大手のキオクシアホールディングスが、好業績で沸いている。上場からわずか1年半で時価総額は国内3位にまで急上昇し、足元では50倍近い純利益の伸びを予想する。にわかに日本経済の主役に躍り出た背景に何があるのか、詳しく見ていく。

キオクシアの源流と曲折の歴史

キオクシアの源流は東芝である。経営難に陥った東芝が2017年に半導体メモリー事業を分社化し、18年に米ファンドなどが約2兆円で買収、19年に社名を変更した。東芝を離れた後には巨額の赤字が続いた。

メモリー市場は韓国サムスン電子をはじめ米韓の大手がしのぎを削り、競争が激しい。存在感を保つには、資金を集めて多額の設備投資を続ける必要がある。キオクシアは同業の米ウエスタンデジタルとの経営統合を模索したが難航し、白紙に。続いて東京証券取引所への上場を目指したが、メモリー市況の悪化に見舞われた。23年3月期から2年続けて巨額の赤字を出すなど目算が狂い、分社化から8年近くたった24年12月にようやく上場した。

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上場後の急成長と「一本足打法」

上場を果たすと、それまでの苦境が一転した。キオクシアはNAND型フラッシュメモリーに特化した「一本足打法」を貫き、AI(人工知能)需要の急拡大を追い風に業績を急回復させた。データセンター向けの高容量メモリー需要が高まり、価格競争からも一定の距離を置く戦略が功を奏した。

24年12月の上場以来、株価は急上昇。時価総額は国内3位に躍り出て、25年3月期の純利益は前期比約50倍の見通しだ。これは半導体メモリー市場の回復と、キオクシアの技術力が評価された結果と言える。

今後の課題と展望

しかし、キオクシアの前途は洋々とは言えない。NAND型フラッシュメモリーに依存するビジネスモデルは、市況変動のリスクを抱える。また、サムスン電子やSKハイニックスなど競合他社もAI需要を取り込もうと競争を激化させている。キオクシアが持続的な成長を遂げるには、技術開発の継続と、新たな収益源の確保が不可欠だ。

同社は太田副社長が社長に昇格し、「強みに磨きをかける」と意気込む。今後の展開が注目される。

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