AIが仮想市民1000人でアンケート実験 都道府県魅力度ランキングを再現
AI仮想市民1000人で魅力度調査 実際のランキングと一致

AIが人間の意識を代弁できるか 仮想市民1000人による実験で検証

2026年2月25日、AI(人工知能)が人間の代わりにアンケートに答えるシミュレーション技術の研究が広がり始めています。具体的な技術の仕組みや実社会での応用可能性について、専門家の監修を受けながら実際の実験を通じて探求しました。

生成AIで仮想市民1000人を創出

生成AIを活用することで、100人、1000人、さらには1億人規模の「仮想市民」を対象としたアンケート調査が可能になります。AIにどのように質問を投げかけ、どのような回答が返ってくるのかが注目されます。

朝日新聞社のメディア研究開発センターは、東京大学発のAIベンチャー「TDAI Lab」の福馬智生代表取締役の監修のもと、AIに様々な質問を実施しました。AIが演じる仮想市民は、日本人の実際の分布に統計的に合致するように居住地や年齢、職業などを設定。その条件を米オープンAI社の生成AI「gpt-5 nano」に与えることで、多様な人格を演じさせています。

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都道府県魅力度ランキングを再現

実験では、テレビなどでよく見られる「都道府県の魅力度ランキング」をテーマに調査を実施。AI仮想市民1000人分の回答を集計した結果、魅力的という回答の割合が最も高かったのは北海道で88.7%が「とても魅力的」と回答しました。

次いで京都府が71.3%沖縄県が66.9%となり、このトップ3は民間調査会社「ブランド総合研究所」が毎年発表しているインターネットアンケートによる実際の調査結果「都道府県魅力度ランキング」の2025年の順位と完全に一致しました。

また、魅力度が低いとされた3県も、順番は若干異なるものの、実際のランキング下位と同じ県が選ばれ、AIが人間の回答をよく再現できていることが示されました。

具体的なAIの回答内容

AI仮想市民たちは、まるで人間のように具体的な意見を述べました。例えば、北海道については「広大な自然と海の幸が素晴らしい」(茨城県の87歳女性)、京都府については「歴史と文化は圧倒的。ただ、混雑していて生活の静けさは期待できない」(愛知県45歳男性)といった回答が得られました。

魅力度が下位だった県についても、AIは詳細な評価を下しています。埼玉県を「歴史や文化の深さを体感する場が限られる」、茨城県を「首都圏に近いのが魅力的だが、自然や観光資源の魅力がやや弱い印象」などと分析しました。

シミュレーション技術の応用可能性

福馬代表は「こうした回答をしたAIが、どんな人格に扮していたのかを分析することで、自治体が魅力度を高める施策のヒントが見つかる」と指摘します。近年、AI仮想市民による市場調査や選挙結果の予測、施策の事前評価といったシミュレーション技術の応用が急速に進んでいます。

例えば、柔軟な働き方の一つとしてリモートワークの導入効果を事前に評価したり、新商品の市場反応を予測したりする際に、実際のアンケート調査を行う前にAIによるシミュレーションを実施することで、時間とコストを大幅に削減できる可能性があります。

専門家の見解

元厚生労働省官僚で株式会社千正組代表の千正康裕氏は「特にマス向けのビジネスが変わっていきそうで興味深い。多くの人向けの商品やサービスのマーケティングには、かなり活用できそうに感じる」とコメントしています。

企業側にとってはビジネスの効率化とスピードアップが期待でき、消費者側にとっても満足度の高い製品やサービスが迅速に提供される可能性があります。AIシミュレーション技術は、社会の様々な分野で革新的な変化をもたらすことが予想されます。

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