日本音楽著作権協会(JASRAC)は11日、生成AI(人工知能)を活用した楽曲の著作権管理に関する新たな指針を公式サイトで公表した。作詞と作曲の両方をAIが自律的に行った楽曲は著作権管理の対象外とし、人間による「創作的な寄与」が認められる場合のみ管理する方針を明確にした。
AI楽曲の著作権管理基準を明確化
JASRACは公式サイトにAIに関する特設ページを開設し、作曲家や作詞家が作品を届け出る際のガイドラインを公開した。新たな作り手の参入を想定し、創作環境を整備する狙いがある。ガイドラインでは、人間による「創作的な寄与」が認められない楽曲は「著作物に該当しないため、管理を引き受けられない」と明記。創作的な寄与とは、AIを道具として使い、人間が詳細な指示を繰り返すなどを通じて作品を生み出す行為を指す。
具体的には、歌詞と曲の両方をAIが自律的に生成した楽曲はJASRACの管理対象外となり、商業利用されても著作権使用料は発生しない。一方、人間が作詞しAIが作曲した場合や、その逆の場合には、人間の創作的な寄与が認められれば著作権が発生し、JASRACが管理する可能性がある。
文化庁の考え方に沿った方針
この方針は、文化庁が2024年に発表した「AIと著作権に関する考え方」に沿ったもの。文化庁は、AIに指示するプロンプトの分量や内容など、人間の「創作的な寄与」の程度を総合的に判断する法解釈を示していた。JASRACも同様の基準を採用し、著作権使用料が発生する範囲の線引きを明確にした。
AI利用をめぐる賛否両論
生成AIの急速な普及により、誰でも簡単に楽曲を作れるようになった一方、著作権をめぐる問題が浮上している。JASRACの新方針に対しては、AIを活用した創作活動を促進するという肯定的な意見がある一方、AIが生成した作品の権利保護が不十分だとの批判も聞かれる。JASRACは今後も技術の進展や社会情勢を踏まえ、ガイドラインを随時見直す方針だ。
なお、JASRACは虚偽の申告があった場合には法的責任を問う可能性もあると警告している。AI利用の実態を正確に把握し、適切な著作権管理を行うための措置と位置づけている。



