岸田文雄首相は11日、首相官邸で開かれた「新しい資本主義実現会議」で、人工知能(AI)分野の国家戦略を推進するため、年内にも「AI戦略本部」を新設し、基本方針を策定する方針を明らかにした。AI分野での国際競争力を高め、経済成長につなげる狙いがある。
AI戦略本部の役割
新設されるAI戦略本部は、政府全体のAI関連施策を統括し、研究開発、人材育成、社会実装、規制整備などを一元的に推進する。首相は会議で、「AIは経済成長の鍵であり、国際競争が激化する中で、日本として戦略的に取り組む必要がある」と述べた。
基本方針の骨子
基本方針では、以下の項目が盛り込まれる見通しだ。
- 研究開発の加速: 産学官連携による基盤技術の研究開発を強化し、世界トップレベルのAI技術の創出を目指す。
- 人材育成: AI人材の育成・確保に向け、教育プログラムの拡充や専門人材の受け入れを促進する。
- 社会実装の促進: 医療、介護、農業、製造業など様々な分野でのAI活用を推進し、生産性向上や課題解決につなげる。
- 規制・ルール整備: AIの倫理的な利用や安全性確保のためのガイドラインを策定し、国際的なルール作りにも積極的に貢献する。
今後のスケジュール
政府は年内にAI戦略本部を設置し、基本方針を策定する。その後、具体的なアクションプランをまとめ、予算措置を含めた実行計画を進める方針だ。首相は「スピード感を持って取り組む」と強調した。
専門家の見解
AI戦略本部の新設について、専門家からは「日本がAI分野で遅れをとっている中、司令塔機能を強化するのは評価できる。一方で、具体的な成果を出すためには、産学官の連携と十分な予算確保が不可欠だ」との声が上がっている。



