自民党は、次期衆院選の政権公約(マニフェスト)に、人工知能(AI)の開発や利活用に関する基本法の制定を明記する方向で調整に入った。複数の党関係者が24日、明らかにした。同党は、AI分野での国際競争力の強化と、悪用や誤用などのリスク対策を両立させるための法整備が必要と判断した。基本法には、AIの開発原則や政府の推進体制、規制の枠組みなどを盛り込む見通しだ。
AI基本法の概要と目指す方向性
基本法は、AIの社会実装を促進しつつ、国民の安全やプライバシー、人権を保護することを目的とする。具体的には、AIの透明性や説明責任、公平性、安全性などの原則を定め、政府はこれらの原則に基づいて関係省庁が連携する推進本部を設置する。また、リスクの高いAIシステムについては、事前審査や認証制度の導入を検討する。さらに、AI開発を促進するための税制優遇や研究開発支援、人材育成などの施策も盛り込む方針だ。
背景と国際的な動向
世界では、欧州連合(EU)が世界初のAI規制法である「AI法案」を2024年に成立させ、2025年から段階的に施行している。米国でもバイデン政権がAIの安全性に関する大統領令を発出し、日本でも規制と推進のバランスが課題となっている。自民党は、こうした国際的な動きを踏まえ、日本としても包括的な法制度を早期に整備する必要があると判断した。
今後のスケジュール
自民党は、公約策定に向けて党内のプロジェクトチームで議論を加速させる。夏にも公約案をまとめ、秋の臨時国会での法案提出を目指す。首相は、AI基本法について「経済成長と国民の安全を両立させるための重要な法案だ」と述べ、早期成立に意欲を示している。



