政府は2日、人工知能(AI)の開発と活用に関する基本法改正案を閣議決定した。AI技術の急速な進展に伴い、社会実装を促進しつつ、リスクに対応するための規制枠組みを整備するのが狙いだ。
改正の背景と目的
AIは様々な分野で活用が進む一方、誤情報の拡散や雇用への影響、プライバシー侵害などの懸念も指摘されている。現行法は2020年に施行されたが、技術の進歩に追いついていないとの声が上がっていた。今回の改正では、AIの開発・提供・利用に関する基本原則を明確化し、事業者にはリスク評価と透明性確保を義務付ける。
規制の枠組み
改正案では、AIのリスクを「不可接受的リスク」「高リスク」「限定的リスク」「最小リスク」の4段階に分類。高リスクAIには、人間の生命・健康・安全に影響を与える可能性があるものとして、厳格な適合性評価と第三者認証を求める。一方、チャットボットなど限定的リスクのAIは、透明性の確保など軽度の義務を課す。
産業振興策
規制だけでなく、AI産業の育成も重視。政府はAI関連の研究開発への支援や、中小企業への導入促進策を盛り込んだ。特に、医療や介護、農業などの分野でのAI活用を後押しする。さらに、AI人材の育成に向けた教育プログラムの充実も掲げている。
政府は、今国会での成立を目指す。与党の一部からは「過度な規制はイノベーションを阻害する」との慎重論も出ているが、政府は「国際的なルール作りを主導し、日本の競争力を高める」と説明している。



