デジタル化の課題と対策を議論するシンポジウムが14日に開催
神奈川大学法学研究所は、2026年3月14日午後1時から5時まで、「パブリックの視点から見たデジタルガバナンスのあり方」と題したシンポジウムを開催します。このイベントは、官民で人工知能(AI)の活用などデジタル化が急速に進展する現代において、重要な課題とその対策を探ることを目的としています。
個人情報保護と米IT企業への依存が焦点
シンポジウムでは、特に個人情報保護の在り方や、米国の大手IT企業への契約が集中することに伴う懸念が主要なテーマとして取り上げられます。デジタル庁のデータによれば、全国の自治体が担う税や戸籍など20業務の情報システムを、2025年度末までに国の定める標準型に統一する国策が進められていますが、昨年末時点で、期限までにシステムの標準化が間に合わない業務を抱える自治体は、全体の52.3%に相当する935自治体に上っています。
この標準化プロセスには、運用コストの増加や、多くの自治体がアマゾンのクラウドサービスAWSを利用していることによる課題も指摘されています。これらの問題は、デジタルガバナンスの実現に向けた大きな障壁となっています。
専門家によるパネル討論と基調講演
シンポジウムでは、東京大学の金井利之教授をはじめとする専門家が登壇するパネル討論が行われ、自治体の情報システム標準化の問題点などを詳細に議論します。さらに、板倉陽一郎弁護士による基調講演「医療情報の利活用におけるガバナンス」も予定されており、医療分野におけるデジタルデータの管理と活用についての洞察が提供されます。
イベントは、神奈川大学横浜キャンパス(横浜市神奈川区)と明治大学駿河台キャンパス(東京都千代田区)の2会場、およびオンラインで同時開催されます。参加は無料ですが、事前予約が必要で、3月11日までに神奈川大学のウェブサイトから申し込みを受け付けています。
このシンポジウムは、デジタル社会の進展に伴う倫理的・制度的課題を深く考察し、持続可能なガバナンスモデルの構築に向けた議論の場を提供することを目指しています。関係者や一般市民の参加を通じて、より包括的な解決策の探求が期待されています。



