イーロン・マスク氏が、2022年に440億ドル(約6兆6000億円)で買収したX(旧Twitter)の全株式を売却する方針を固めたことが、28日までに明らかになった。買収から約3年、広告収入の減少や多額の負債に直面し、事業再編を加速させる。
売却の背景
マスク氏は2022年10月にXを買収後、従業員の大量解雇や認証システムの変更、コンテンツモデレーションの緩和など、急激な改革を進めてきた。しかし、広告主の離脱が相次ぎ、収益は悪化。2023年には広告収入が前年比で約50%減少したとされる。また、買収資金の一部として借り入れた約130億ドルの負債も重荷となっている。
買収後の経緯
マスク氏は買収直後、「Xをあらゆるもののアプリ」に変革すると宣言。動画配信や決済機能の追加など、多角化を試みたが、期待した成果は上がっていない。2024年には、Xの企業価値が買収時の半分以下に下落したとの評価も出ている。
売却先については、複数の投資ファンドやテクノロジー企業が関心を示していると報じられている。マスク氏はXの経営から撤退後、宇宙開発企業SpaceXや電気自動車メーカーTeslaなど、他の事業に集中する見通しだ。
市場への影響
Xの売却は、ソーシャルメディア業界に大きな波紋を広げる可能性がある。専門家は「Xの買収は、ソーシャルメディアのビジネスモデルの限界を示した」と指摘。買収後の混乱が、他のプラットフォームにも影響を与えたと分析している。
今後の展望
マスク氏はXの株式売却によって得た資金を、TeslaやSpaceX、新たなAI事業に振り向けるとみられる。特に、AI開発企業xAIとの連携強化が注目される。
Xの将来について、アナリストは「新たな経営陣のもとで、再び成長軌道に乗る可能性はあるが、競争が激しい市場で生き残るのは容易ではない」と述べている。



