挾間美帆さん、恩師との別れに涙した帰り道に響いた旋律 ビッグバンドの未来を語る
挾間美帆さん、恩師との別れに涙した帰り道に響いた旋律

2025年夏のニューヨーク・マンハッタン。ジャズ作曲家の挾間美帆は、人目もはばからず号泣しながら地下鉄の駅へと向かっていた。同年9月に死去した恩師、ジム・マクニーリーの自宅を訪れ、「最期の別れ」を告げた直後のことだった。

昨年グラミー賞にノミネートされるなど世界的に活躍するジャズ作曲家の挾間美帆さんにインタビューしました。亡き恩師にまつわる新曲の背景をはじめ、現在首席指揮者を務めるビッグバンドへの思い、多様化するジャズの中で目指す立ち位置など、幅広く語ってもらいました。

恩師との最期の時間

26年に発表された第68回グラミー賞で最優秀インストゥルメンタル作曲賞にノミネートされるなど、いまや世界を舞台に活躍する挾間。その音楽人生を決定づけたのは、留学先のマンハッタン音楽院大学院で師事したマクニーリーだった。

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欧州の数々の名門バンドを率い、グラミー賞にも幾度となく候補となったビッグバンド界の重鎮。国立音楽大学でクラシックを一筋に学んできた挾間は、この恩師との出会いによってジャズ作曲家への道を進んだ。

自身を導いてくれた恩師と過ごした最期の時間。それは、静かで穏やかなものだった。

「亡くなる直前に会うことができ、奥様と3人で美しい時間を過ごしたんです。帰る時になって、これが最期だというのは分かっていたから、『絶対に泣くまい、笑顔でバイバイした方がいい』と。そう思って一生懸命涙をこらえてその場を去ったんですが、やっぱり悲しくなって……」

ただ、あふれ出す感情が、深い悲しみの中にあっても、頭の中で音楽的なイメージとなって現れた。

号泣の中で響いた旋律

「号泣している間、私の頭の中で音楽が鳴り響いていたんです。悲しみが一瞬にして音に変わっていくような感覚でした。それが今回の新曲の核になりました」と挾間さんは振り返る。

この経験は、挾間さんの創作活動に新たな深みをもたらした。恩師から受け継いだビッグバンドの伝統を現代にどう活かすか、常に模索しているという。

ビッグバンドの未来

挾間さんは現在、オランダのメトロポール・オーケストラの首席指揮者を務めるなど、ビッグバンド界で重要な役割を担っている。しかし、ジャズの多様化が進む中で、自身の立ち位置についても考えさせられることが多いという。

「ビッグバンドは古い形式だと言われることもありますが、私はそこに無限の可能性を感じています。クラシックの要素も取り入れながら、新しいサウンドを追求していきたい」

挾間さんの目指すのは、伝統と革新の融合だ。恩師マクニーリーから学んだ「音楽は感情を伝えるもの」という信念を胸に、これからも世界の舞台で活躍し続ける。

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