午後六時を過ぎた頃、玄関のチャイムが鳴った。インターホンのモニターを見た稔が言った。
「香苗ですよ」
いつもなら「帰ってもらえ」と言うところだが、今日は違う。事情が聞きたかった。
「入ってもらえ」
稔が玄関の解錠をすると、すぐに坂本香苗が入ってきて言った。
「健一さんが警察に捕まったって、本当?」
日村は言った。
「誰に聞いたんだ」
「宝楽の大将」
「しょうがないな……」
「本当に捕まったの?」
「ああ。警察に行っている」
「逮捕されたの?」
「任意同行だったが、その後どうなったかはわからない」
「私、警察に行ってくる」
「まあ、待て」
「待ってられない。健一さんは、何も悪いことしてないんだから」
「何も悪いことをしていないって……。健一は高校生を脅したとかで、警察では暴対法違反だと言っている」



