名古屋・しらかわホールが異例のガラス張りボックス席を設置 公演中の飲食・会話可能に
しらかわホールにガラス張りボックス席 公演中も飲食OK

名古屋の音楽ホールが異例のガラス張りボックス席を導入 公演中の飲食・会話を可能に

愛知県名古屋市中区の音楽ホール「しらかわホール」が、2026年4月に約2年ぶりの再オープンを控え、画期的な新設備を導入することが明らかになりました。運営会社「SKI」は2月12日、客席2階部分に完全防音のガラス張りボックス席を設置する計画を発表しました。公演中も飲食や会話が可能なVIP席として機能し、コンサートホールとしては全国的にも極めて異例の試みとなります。

詳細なボックス席の配置と収益化戦略

新設されるボックス席は、1ボックスあたり6人定員となっています。具体的な配置としては、舞台に向かって2階側面に計4カ所、さらに特別室として1階席正面後方にも1カ所が設けられます。また、ガラスのないボックス席も2階に4カ所設置される予定です。

運営会社のSKIによれば、貸し館収入やチケット収入のみでホールを運営することは困難な状況にあるため、一般席との価格差をつけたボックス席を新たな収入源の一つとして期待しています。この改修により、全座席数は従来より約1割減少し、631席となる見込みです。

大規模な改修とクラウドファンディングによる資金調達

しらかわホールでは、ボックス席の設置以外にも大規模な改修が計画されています。具体的には、女性トイレの増設や館内のバリアフリー化などが進められる予定です。これらの改修費用を賄うため、2月16日から2カ月間にわたってクラウドファンディングによる出資募集が実施されます。目標金額は1千万円に設定されています。

さらに、今後の運営方針として、館内のレストランやカフェを公演日以外にも営業するほか、ホール前のスペースの活用策も検討されています。会見で荒川由紀館長は「文化の交差点として、近隣施設と共に街を盛り上げたい」と意気込みを語りました。

再オープンに向けた活発な動きと記念公演の成功

しらかわホールは2024年2月に一度閉館し、その後旧所有者の三井住友海上火災から売却されました。4月の再オープン以降は、年末までに仮契約を含めて既に100件近い公演が予定されているとのことです。特に、3月24日にはハンガリー出身の世界的ピアニスト、アンドラーシュ・シフ氏による記念公演が開催され、早々に完売するなど、再始動への期待の高さがうかがえます。

このような革新的な試みは、伝統的なコンサートホールの在り方に新たな風を吹き込む可能性を秘めており、今後の音楽文化施設の運営モデルとして注目を集めそうです。