桜井ユキ、新ドラマで複雑な役柄に挑戦 明るさの奥に潜む闇を表現
フジテレビ系ドラマ「夫に間違いありません」が月曜午後10時から放送されており、遺体の誤認をきっかけにしたヒューマンサスペンスが展開されている。おでん屋を営み、子ども2人を育てる主人公・聖子(松下奈緒)の前に、事故死したはずの夫(安田顕)が現れるという衝撃的な設定だ。聖子が家庭を守るため、夫の生存を隠す中、行方不明の夫を持つ紗春(桜井ユキ)らが近づいてくる。
紗春のキャラクター:明るさと「どす黒い空洞」の二面性
桜井ユキはこれまで「気の強い、芯が通っている役」を多く演じてきたが、今作の紗春は、行方不明の夫の帰りを待ちながら一人娘を育てる明るい母親として描かれている。桜井は「気持ちがいいくらい、ずうずうしいところが魅力の一つ」と語り、同じ境遇の聖子との距離をぐいぐい詰めていく役柄を強調する。
しかし、紗春は単に明るく人なつっこいだけではない。桜井は「強さの中に、どす黒い空洞みたいな何かが垣間見える。読めない部分も多々あって、それが物語の後半につながっていきます」と説明する。物語はここ数話で大きく動き、それぞれの秘密や欲望が徐々に明らかになっていく予定だ。
桜井は「こんなにも自分の目的や守りたいものに真っすぐな登場人物が集まった作品は、なかなかない」と評価する。世の中から見れば、その真っすぐさは時に「悪」とされることもあるが、その分、「登場人物一人ひとりが、すごく人間らしく描かれています」と語っている。
役作りの背景:福岡から上京した苦労と舞台での鍛錬
桜井ユキの俳優としての道のりは、小学3年生の頃からの憧れが始まりだ。19歳で福岡から上京したが、「東京の圧」に気おされ、1年とたたずに帰郷を余儀なくされた。その後、飲食店での接客を通じて「人と話すのって楽しいな」と思えるようになり、「自分の中で世界が広がっていく感覚でした」と振り返る。
再び上京し、演出家・石丸さち子の私塾に通った桜井は、発声やメソッドなどを毎日5時間みっちり学んだ。「ここでの学びがなければ、今はないと思います」と語り、24歳で石丸演出の舞台で俳優デビューを果たした。この下積みの経験が、紗春の「読めない」一面を演じる際の裏打ちとなっている可能性がある。
桜井は作品について「考察もできる作品ですが、身を委ねて、存分に翻弄されてほしいです」と視聴者に呼びかけている。
プライベートでの息抜き:自然の中での自転車と酵素風呂
役作りや撮影の合間には、自然の中で息抜きをしている。最近はまっているのは酵素風呂で、「本当は毎日行きたいんですが、独特の香りがするので、お仕事の日や前日は避けて、週に1回」と語る。体の温まりが持続するため、続けるようになって体調が良い気がすると感じている。
また、息抜きとして自転車を挙げる。上京してからあまり乗っていなかったが、3、4年前に自転車を購入し、「自然しかないようなところまで車で運んで、息切れするくらい自転車に乗るのが夢です」と語っている。
プロフィールと今後の活躍に期待
桜井ユキは1987年2月10日生まれで、福岡県出身だ。2020年にはドラマ「だから私は推しました」で放送文化基金賞演技賞を受賞している。これまでにドラマ「しあわせは食べて寝て待て」や「真犯人フラグ」、NHK連続テレビ小説「虎に翼」、映画「#真相をお話しします」などに出演し、幅広い役柄をこなしてきた。
「夫に間違いありません」では、紗春のキャラクターを通じて、人間の複雑な心理や欲望を描き出している。今後の展開に注目が集まる中、桜井の演技が物語にどのような深みをもたらすか、視聴者の期待は高まっている。