この春、囲碁のタイトル戦が行われたお宿を巡るツアーに同行する貴重な機会をいただき、全国のさまざまな場所を訪れることができました。素敵なお庭での指導碁では、瀬戸先生の九段昇段サプライズお祝いもあり、息をのむ別世界を体験しました。
「ryugon」での特別な体験
なかでも印象に残っているのが、新潟県南魚沼市にある「ryugon」というお宿です。スキーがお好きだった高松宮殿下も滞在されたという由緒ある旅館。門をくぐり、約1500坪という広大な敷地に足を踏み入れると、思わず息をのむような別世界が広がっています。多くが庄屋や豪農の館を移築して作られたという建物は、歴史の重みを感じさせつつ、現代的で洗練されてもいて、和の美を思いっきり詰め込んだような素敵な空間でした。
棋聖戦の名局が生まれた場所
ryugonではこれまで、棋聖戦をはじめ、数々の名局が生まれてきました。最近の棋聖戦では、2021年に井山裕太棋聖(当時)に河野臨九段が挑んだ第45期棋聖戦七番勝負第5局がこちらで打たれました。今回は、実際に対局場として使用された2階建ての特別な部屋に入らせていただき、当時の空気を少しだけ感じられたような気がして、とても貴重な体験になりました。
桜舞う庭での指導碁
滞在中は、まだ桜が残る美しいお庭での指導碁という、ぜいたくすぎる時間も実現しました。ツアーに同行した瀬戸大樹先生の指導碁に私も交ぜていただいたのですが、ふとした瞬間に桜が碁盤に舞い落ちる、屋外ならではの対局の楽しさを満喫しました。
サプライズお祝いとご当地料理
お庭ではさらに、瀬戸先生の九段昇段サプライズお祝いも。お庭でいただいたお祝いのケーキや、地元の食材をふんだんに使った素晴らしいご当地料理の数々に、心もおなかも体重も満たされる「至れり尽くせり」なひとときを過ごさせていただきました。
夢の上高地訪問
旅の終盤にはずっと夢見ていた「上高地」へも足を運ぶことができました。当日は見事な晴天!雪を冠した雄大な穂高連峰は圧巻で、日本にいることを忘れてしまうほど。川の水も信じられないほど透き通っていて感動しました。
今回の旅では、さまざまな土地でかけがえのない経験をさせていただきました。このような素晴らしい企画を実現してくださったことに改めて囲碁を通じて広がるご縁のありがたさを感じました。
プロフィル:安田明夏(やすだ・あきか)、囲碁棋士。初段。日本棋院関西総本部所属。2002年8月24日生まれの23歳。兵庫県出身。堀田陽三九段門下。2021年度入段。22年4月から24年3月までNHK・Eテレ「囲碁フォーカス」で司会を担当、同年4月からはNHK杯テレビ囲碁トーナメントの司会を務めている。



