マルコメ、愛媛・西予市で「あおさ」陸上養殖を拡大 海水温上昇の影響回避し安定供給を実現
マルコメ、愛媛で「あおさ」陸上養殖拡大 安定供給実現

マルコメ、愛媛・西予市で「あおさ」陸上養殖を拡大 海水温上昇の影響回避し安定供給を実現

みそ汁の具材として親しまれる「あおさ」(ヒトエグサ)の陸上養殖が、愛媛県西予市明浜町俵津で本格的に進められています。みそ製造大手のマルコメ(本社・長野市)が、同地の製塩工場跡地を活用し、2019年から試験養殖を開始。その後、水槽の増設などを通じて種苗の培養から収穫までの一貫した生産体制を確立し、自社製品の一部に使用しています。

陸上養殖の拠点で約145基の水槽が並ぶ

西予市明浜町の海岸近くには、約1万平方メートルの広大な敷地に白い円柱型の水槽約145基が整然と並んでいます。ここはマルコメが建設したあおさの養殖研究拠点で、「あおさのり」とも呼ばれる緑色の海藻が水槽内で浮遊しています。研究開発を担当する同社の松島大二朗さん(34)は、陸上養殖の利点について次のように説明します。

「陸上養殖では、釣り糸や貝殻などの異物が混入するリスクがなく、年間を通じて一定の品質と収量を確保できます。これにより、安定した供給が可能となります」

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徳島文理大学との共同開発で技術を確立

あおさの陸上養殖技術は、世界で初めて開発に成功した徳島文理大学(本部・徳島市)の山本博文教授との連携によって進められました。マルコメは2017年に同教授と連絡を取り、共同開発を開始。生産に適した土地を探す中で、2018年に西予市から紹介されたのが、海水の取水が容易で十分な広さを持つ明浜町の土地でした。

松島さんは技術的な課題について、「あおさは適切な水温管理が不可欠で、成熟しすぎると商品化できません。水温の変化に耐性が高い品種の選別には苦労しました」と語ります。成長段階に応じて徐々に大きな水槽に移し、約2~3か月で収穫できる体制を整えています。

地球温暖化の影響と需要増加に対応

近年、あおさを含む海藻類は、地球温暖化に伴う海水温の上昇などが原因で生産量が低下しています。一方で、あおさは全国チェーンの回転ずし店がみそ汁に使用するなどして認知度が向上し、需要が増加傾向にあります。松島さんによると、「価格が高騰した際には、通常の2~4倍にまで上昇したこともあります」という。

こうした状況を受け、マルコメは生産量を拡大し、自社製品への使用比率を高めるため、2026年に入ってからも明浜町の拠点で水槽を増設しました。松島さんは今後の展望について、「あおさの業界全体を活性化させるため、より持続的で安定的な供給を目指していきたい」と意気込みを語っています。

この取り組みは、伝統的な食材の安定供給を確保するとともに、地域経済への貢献も期待されています。陸上養殖技術の進展が、海藻産業の未来を切り開く一歩となるかもしれません。

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