琵琶湖で養殖ウナギの稚魚が大きく成長 近畿大学などが研究成果を発表
琵琶湖で養殖ウナギの稚魚が大きく成長 近大など発表

琵琶湖の環境が養殖ウナギの成長を促進 近大などが研究成果を発表

養殖場ではあまり成長しなかった小型の養殖ウナギ(稚魚)を琵琶湖に放流すると、大きく育つことが明らかになりました。近畿大学大学院農学研究科が、滋賀県立大学および滋賀県水産試験場と共同で実施した研究によってこの事実が確認され、2026年3月20日に発表されました。

天然ウナギの競合が少ない琵琶湖が適環境

研究チームによると、琵琶湖は競合する天然ウナギがほとんど存在しないため、養殖ウナギの放流場所として理想的であると考えられています。この環境的要因が、放流された稚魚の成長を促進している可能性が高いと指摘されています。

琵琶湖では古くからウナギ漁が行われており、大型で肉厚の身が特徴的な地元産ウナギは高い人気を誇っています。京都や東京の高級料亭でも提供されるほど品質が評価されていますが、漁獲量は激減傾向にあります。

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漁獲量の激減とダム建設の影響

滋賀県水産課のデータによれば、琵琶湖のウナギ漁獲量は1957年に53トンあったものの、近年では年間2~3トンにまで減少しています。この激減の背景には、1964年に淀川中流域に建設された天ケ瀬ダムの存在が大きく関わっていると考えられています。

元々、天然ウナギは海から淀川を通って琵琶湖へ遡上していましたが、ダムの建設によってその移動経路が遮断され、遡上が困難になったとみられています。この環境変化が天然ウナギの減少に直結し、結果的に養殖ウナギの成長にとって好条件を生み出している可能性があります。

持続可能な漁業への期待

近畿大学を中心とする研究チームは2020年度からこの研究を継続しており、琵琶湖における稚魚放流事業の長い歴史を踏まえつつ、新たな知見を積み重ねてきました。養殖ウナギが自然環境下で良好に成長するという発見は、減少傾向にあるウナギ資源の持続可能な管理に向けた希望をもたらすものです。

研究関係者は、今回の成果が今後の水産資源保護政策や養殖技術の改善に貢献することを期待しています。琵琶湖の特異な生態系が、絶滅が危惧されるウナギの保全に重要な役割を果たす可能性が示された形です。

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