三輪車でコーヒーを届ける元サラリーマン、鹿児島で「自分らしい挑戦」を実践
三輪車でコーヒー届ける元サラリーマン、鹿児島で挑戦

三輪車でコーヒーを届ける元サラリーマン、鹿児島で「自分らしい挑戦」を実践

鹿児島県内を三輪車を改造した珍しい屋台で巡り、こだわりのコーヒーを提供する元サラリーマンがいる。ポンプ宮脇(本名・宮脇雄大)さん(32)は、2024年1月から事業を開始し、県内70か所以上で屋台を開いてきた。店を始めて2年間の取り組みや今後の抱負を聞いた。

事業開始のきっかけと独自のアプローチ

宮脇さんが事業を始めたきっかけは、30歳を機に人生を見つめ直したことだ。「会社での成果を追い求めるよりも自分らしく生きたいと感じました。小さい頃から母が入れるコーヒーが好きで、何をしようか悩んでいたとき、ふとコーヒーが目に入り、これだと決意して起業しました」と語る。

西日本唯一とされる「三輪自転車コーヒー屋台」を採用した理由について、宮脇さんはこう説明する。「『宮脇雄大のキャラクターで勝負する』と決め、自分を知ってもらうには店を構えるよりも、三輪車で各地を移動する珍しい方法がいいと考えました。ハンドドリップでコーヒーを販売し、山形屋といった鹿児島市中心部を含む県内各地で活動しています」

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屋号に込めた思いと顧客との交流

屋号は「JOURNEY SIP COFFEE」と名付けられた。「旅(JOURNEY)の前のワクワクする思いを感じる一口(SIP)を届けたいという気持ちを込めています。コーヒーがもたらす人とのつながりを大切にしているんです」と宮脇さんは話す。

店頭では、白い紙コップに屋号やイラストを手描きで描いて渡す。「くだらない話で盛り上がったり悩みを話し合ったりして、来てくれた人が楽しんでくれたらうれしいです」と、温かい交流を重視する姿勢を強調する。

苦労と地域の温かさ、そして成長

事業には苦労もあった。真夏に立ちっぱなしで店を開いても数人しか来ない日もあり、「自分は社会から必要とされていない」と悩んだこともあるという。しかし、お菓子や果物を差し入れしてくれるお客さんが多く、鹿児島の人の温かさに救われたと振り返る。

今では一日300杯以上売れる日もあり、多くの人においしいコーヒーを届けられるようになった。宮脇さんは「鹿児島の人の優しさが支えになっています」と感謝の言葉を述べる。

今後の展望と社会へのメッセージ

今後、宮脇さんは鹿児島市小山田町に設けた活動拠点「珈琲(こーひー)基地」を中心に、各地に出店しながら、お客さんとゆっくり語り合うイベントを増やしていきたいと語る。「経験を生かし、自分らしく挑戦する人を応援したい。小さな子どもたちが『大人って楽しそう』『早く社会に出たい』と思うような世界にしていきたいです」と抱負を明かす。

取材を終えて

宮脇さんを取材したのは雨の日だった。傘を忘れて雨に打たれ、少し落ち込みながら「珈琲基地」に入ると、「どうぞ」と、手書きで「雨の中ありがとう」と記された紙コップで温かいコーヒーを出してくれた。一口飲むと軽やかな味わいが広がり、自然と元気になった。宮脇さんの心を込めた一杯が、これからもたくさんの人に届くことを願っている。

プロフィール

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  • ぽんぷ・みやわき(宮脇雄大): 鹿児島県志布志市出身。福岡県の大学を卒業後、建築業やウェブマーケティングを行うベンチャー企業を経て起業。コーヒー豆の仕入れや焙煎などを一人で行う。活動名は、ポンプのように人を送り出したいとの思いを込めて自ら名付けた。鹿児島県霧島市在住で、2児の父。のみの市が好きで、古道具には目がないという。