懐かしの遊園地の記憶を現代アートで蘇らせる特別展
かつて兵庫県宝塚市に存在した人気遊園地「宝塚ファミリーランド」をテーマにした企画展「みんなでつくる宝塚コドモ博」が、現在、市立文化芸術センター(武庫川町)で開催されています。この展示会は、単なる懐古趣味を超え、過去の記憶を未来への創造活動へと繋げる試みとして注目を集めています。
遊園地の歴史を伝える貴重な資料約100点
会場には、2003年に閉園した宝塚ファミリーランドに関する貴重な資料が数多く展示されています。園内に設置されていた昆虫館や動物園の写真、入場券、パンフレット、絵はがきなど、計約100点に及ぶアイテムが来場者の目を楽しませています。これらの展示品は、かつて多くの家族連れで賑わった遊園地の活気ある雰囲気を現代に伝える重要な記録となっています。
廃棄おもちゃを再利用した大型アート作品が登場
展示会の最大の見どころは、使われなくなった大量のおもちゃを再利用して制作された大型アート作品です。会場中央には、ファミリーランドで開催されていた「恐竜博」イベントにちなみ、恐竜をモチーフにした立体作品「トイザウルス」が設置されています。
この作品は、美術家で秋田公立美術大学教授の藤浩志氏(65歳)によって制作されました。藤氏は、壊れたおもちゃの部品やファストフード店で配布されるおまけのおもちゃを同系色で集め、丁寧に配置することで、着物をイメージしたカラフルな模様を創り上げています。周囲にはおもちゃが精巧に並べられ、視覚的に魅力的な空間を形成しています。
循環型社会へのメッセージを込めた創作活動
藤浩志氏は2000年に、不要なおもちゃを持ち寄って交換するシステム「かえっこバザール」を発案し、引き取り手のないおもちゃを素材にした作品制作を続けてきました。氏は今回の展示について次のように語っています。
「おもちゃの主な材料となっているプラスチックは、私が生きてきた時代の象徴的な素材です。循環型社会に向かう現代において、何か新しい創造活動ができないかと考えています。この展示が、そのような思いを共有する場となれば嬉しいです」
会場には、不用になったぬいぐるみを分解して再構築したトラやパンダの作品も展示されており、廃棄物の再利用に対する芸術的なアプローチが多角的に紹介されています。
来場者が参加できる創造ラボを設置
展示会では、来場者自身が創作活動に参加できる「創造ラボ」コーナーが設けられています。ここでは、おもちゃなどの部品を自由に使って作品作りが体験でき、子供から大人までが実際に手を動かしながらアートの楽しさを味わうことができます。この参加型の要素が、展示会に動的な魅力を加えています。
展示会の詳細情報
「みんなでつくる宝塚コドモ博」は4月12日まで開催されています。休館日は毎週月曜日です。入場料は一般が1000円で、これはパスポート制となっており、期間中何度でも入場可能です。高校生以下は無料で入場できます。詳細な問い合わせは市立文化芸術センター(電話:0797-62-6800)までお願いします。
この企画展は、単に過去を懐かしむだけでなく、廃棄物問題や環境保護について考えるきっかけを提供し、地域の歴史と現代の課題を結びつける貴重な機会となっています。



