洲埼灯台がLED光源に更新、77年間活躍した歴史的レンズが引退
房総半島の南西端に位置する洲埼灯台(館山市)が、2026年3月中旬に光源をLEDに切り替えました。これに伴い、1949年から77年間にわたって使用されてきたフレネルレンズ(直径約80センチ)もその役割を終え、歴史的な引退を迎えました。洲埼灯台は、対岸の三浦半島南端にある剱埼灯台とともに、東京湾と太平洋の境界線を形成する重要な灯台であり、両灯台のLED化により、より鮮明で持続的な光で海の安全を守る体制が強化されました。
歴史的な灯台の変遷と技術革新
洲埼灯台は1919年に初点灯し、房総半島の内房と外房の境界に位置しています。当初は石油ランプを光源として使用し、職員が重りを用いてレンズを手動で回転させる方式でした。その後、技術の進歩に伴い、1988年に無人化され、1996年からはメタルハライドランプが採用されていました。今回のLED化は、エネルギー効率の向上と保守の簡素化を目的とした近代化の一環です。
フレネルレンズは、大小のプリズム状レンズを同心円状に組み合わせた特殊な構造を持ち、光を遠くまで届ける役割を果たしてきました。初期のレンズは太平洋戦争中に破損し、1949年に現在のレンズと交換されて以来、長年にわたり航海の安全を支えてきました。千葉海上保安部交通課の勝田康裕課長(53歳)は、レンズの交換作業について「『お疲れさま』と声をかけながら行い、感慨深い瞬間でした」と語り、歴史的遺産への敬意を示しました。
新たな光で海の安全を継承、レンズは記念イベントで公開へ
LED化された洲埼灯台は、より鮮やかで安定した輝きを放ち、夜間の航行を支援します。剱埼灯台も既にLED化されており、両灯台が互いに新たな光源で照らし合うことで、東京湾と太平洋の境界線における航海安全が一層確かなものとなります。この更新は、環境負荷の低減と持続可能な運用を目指す現代的な取り組みの一例です。
役目を終えたフレネルレンズは、灯台内に慎重に保管され、2026年11月1日の「灯台記念日」を中心としたイベントで一般公開される予定です。これにより、地域の歴史や海事文化を学ぶ機会が提供され、観光資源としても活用される見込みです。館山市では、このような伝統と革新の融合が、地域のアイデンティティを高め、観光振興に寄与することが期待されています。



