墨田区小村井で味わう「小村井飯」オムライスの魅力
東京都墨田区立花の一角に佇む洋食店「Kitchen KAMEYA 洋食館」。この店では、地名にちなんだユニークなメニュー「小村井飯(オムライス)」が提供されている。小村井という町名は現在の地図にはないが、明治・大正期の地図には小字として記載されており、歴史ある地域の味として親しまれている。
下町情緒漂う洋食店の雰囲気
東武亀戸線の小村井駅から徒歩圏内にあるこの店は、看板建築の外観が特徴的だ。店内に入ると、ジャズのインストゥルメンタルが穏やかに流れ、ウエートレスの制服姿も相まって、昭和の雰囲気を感じさせる。常連客と思われる単独の女性客や営業マン風の男性がくつろぐ姿は、地域に根付いた店ならではの光景だ。
「小村井飯」オムライスの味わい
同店の看板メニュー「小村井飯」は、1150円で提供される。ケチャップライスの上に半熟食感のオムレツが載り、その上からデミグラスソースがかかるスタイルだ。ケチャップソースを選ぶことも可能で、みそ汁とサラダが付いてくる。
店の代表でありシェフの佐伯好隆さんによれば、この料理は「オムハヤシ」として提供されていたものが原点だという。確かに、デミグラスソースの風味はハヤシライスを思わせるが、レシピは時代とともに進化しているようだ。
地域に根ざした店の歴史
「Kitchen KAMEYA 洋食館」が開業したのは平成16年(2004年)。興味深いのは、隣接する人気パン屋「かめぱん 立花店」との関係だ。佐伯さんは「パン屋をやっているのは兄で、祖父がパン屋を始めたんです」と語る。創業当時の写真には「パン 亀屋」と記されたブリキ看板が写っており、両店は同じ家筋に由来することが窺える。
現在の店舗は、かつてアパートとして使われていた建物を改装したものだ。2階建てのモルタル造りで、側面から見ると当時の面影を残している。
小村井界隈の散歩道
店を出て路地を歩くと、金属や自動車部品の町工場が点在するエリアが広がる。江戸時代には通貨を鋳造する銭座が多かったという歴史もあり、工場の入り口には銭座の地図や古銭が展示されている場所もある。
香取神社には「香梅園」と呼ばれる梅園があり、3月上旬には梅の花が咲き始める。境内には85種・120本の梅が植えられ、江戸時代から景勝地として知られていた。少し南へ進むと、ヤマトタケルとオトタチバナヒメの伝説が残る吾嬬神社がある。
路地を歩いていると、低い家並みの向こうに東京スカイツリーが突然現れる光景は、この地域ならではの景色だ。古道風情の残る曳舟たから通りは、明治期から家が集まる地域の中心だった。
店舗情報
Kitchen KAMEYA 洋食館
- 住所:東京都墨田区立花2-1-11
- 電話:03-3619-0547
- 営業時間:11:00~15:00、17:00~21:30
- 定休日:月曜日
※掲載情報は2026年4月3日時点のもの。臨時休業や営業時間変更の可能性があるため、事前確認を推奨。



