京都の寺院でキャッシュレス決済「おまいりPay」が導入、外国人観光客増加に対応
京都府内の約1100の寺院が加盟する京都仏教会は、寺社の拝観料や授与品の支払いに使える独自のキャッシュレス決済システム「おまいりPay」を事業者と共同で開発し、導入を開始したと発表しました。このシステムは、現金を持たない外国人観光客の増加に対応する一方で、信教の自由への配慮を重視した設計となっています。
信教の自由への配慮と実用性のバランス
京都仏教会は2019年、キャッシュレス決済について、拝観した寺などの個人情報が第三者に把握される恐れがあるとして、「信教の自由が侵され、宗教統制や宗教弾圧に利用される可能性がある」と反対声明を発表していました。しかし、東本願寺をはじめ、すでに多くの寺社がキャッシュレス決済を導入している状況や、現金を持たない外国人観光客が増加したことなどを受け、対応を検討してきました。
その結果、決済システム会社「バリューデザイン」と協力し、宗教法人向けの独自システムを開発。おまいりPayは、専用端末を寺社が設置すれば、支払いに既存のクレジットカードや電子マネーが使えるようになる仕組みです。重要な点として、決済事業者側には、おまいりPayを使ったことや金額は開示されますが、どこで使ったかなどの詳細情報はわからないように設計されており、信教の自由を保護しています。
導入の進展と今後の展望
おまいりPayは、4月1日から一部の寺などで、お土産品やお守りといった授与品の支払いに限り導入されています。早ければ7月にも拝観料での利用を開始する予定で、金閣寺や「鎌倉大仏」のある高徳院などが導入を計画しています。
京都仏教会は、全国の神社仏閣にこのシステムの普及を図る考えで、佐分宗順・常務理事は「丁寧に説明し、受け入れられるよう努力したい」と語りました。この取り組みは、伝統的な宗教施設が現代の技術革新に対応しながら、文化的・宗教的な価値を守る模範例として注目されています。
背景には、訪日外国人観光客の増加に伴い、現金を携帯しない傾向が強まっていることが挙げられます。京都のような観光地では、寺院へのアクセスや支払いの利便性向上が急務となっており、おまいりPayはその解決策として期待されています。
今後、他の地域の寺社でも同様のシステム導入が進む可能性があり、日本の宗教文化と観光産業の両立に向けた新たな動きとして、国内外から関心を集めそうです。



