島根県邑南町、旧三江線の電動トロッコ運行を広島県三次市の区間に拡大へ
島根県邑南町は、旧JR三江線の伊賀和志駅を含む広島県三次市内の約3.2キロ区間について、所有者であるJR西日本と今年度内にも貸借契約を締結する方針を明らかにしました。この区間は、邑南町内の口羽駅と宇都井駅の間に位置しており、契約締結後、7月頃から口羽―宇都井間で観光用電動トロッコの運行を開始する計画です。
貸借契約の経緯と背景
これまで、三江線跡地では、邑南町がJR西日本と鉄道資産の無償譲渡や貸借契約を結び、NPO法人「江の川鐵道」が口羽駅と宇都井駅から県境の江の川にかかる鉄橋周辺まで電動トロッコを運行していました。しかし、一部を除いて三次市内の区間は運行ができず、観光ルートの拡大が課題となっていました。
昨年9月、江の川鐵道が同区間の鉄道資産を活用したトロッコ運行に向けた請願書を町議会に提出し、採択されました。これを受け、大屋光宏町長が10月に三次市の福岡誠志市長と面会し、JR西日本との貸借契約を検討していることを報告。福岡市長はこれを了解し、町はJR西日本に貸借契約を申し入れ、今年2月には契約締結を目指すことで合意に至りました。契約の具体的な内容は今後詰められる予定です。
今後の展望と地域活性化への期待
邑南町は、江の川鐵道との間で同区間の管理委託契約を結ぶ予定で、トロッコ運行は草刈りや安全点検、試験運行を経て実施されます。江の川鐵道の日高弘之理事長は、「個性の異なる3駅の魅力をより発信していきたい」と語り、観光資源としての活用に意欲を示しています。
このプロジェクトは、廃線となった鉄道インフラを観光に活用することで、地域活性化を図る取り組みとして注目されています。貸借契約の締結により、口羽駅から宇都井駅までの全線運行が可能になり、観光客の利便性向上が期待されます。
島根県と広島県にまたがる旧三江線の電動トロッコ運行拡大は、地方創生の一環として、自然豊かな景観を楽しむ新たな観光ルートを提供するものとなるでしょう。今後も、安全対策や環境配慮を重視しながら、地域経済への貢献が期待されています。



