観光公害対策地域を倍増へ 政府が2030年目標を閣議決定
政府は3月27日、オーバーツーリズム(観光公害)対策に取り組む地域を2030年までに現在の47カ所から100カ所に倍増させる目標を掲げた「第5次観光立国推進基本計画」を閣議決定しました。計画期間は2026年度から2030年度までの5年間で、基本計画の改定は3年ぶりとなります。
訪日客6000万人目標は堅持しながら対策強化
今回の基本計画では、2030年までに訪日外国人旅行者数を6000万人、訪日消費額を15兆円とする現行目標を堅持する一方で、観光客の増加に伴う地域社会への負担軽減に本格的に取り組む姿勢を明確にしました。観光公害対策に関する数値目標を設定するのは今回が初めてとなります。
計画では、観光客が集中する地域では一部の住民から生活の質の低下が指摘されていると説明。訪日客のさらなる受け入れを進めるためには、観光公害対策の抜本的な強化が不可欠であると位置付けています。
具体的な対策内容と地域拡大計画
具体的な対策として、地域住民や関係者との協議を通じて観光公害の防止・抑制に向けた計画を作成する地域を大幅に拡大します。現在取り組んでいる47カ所から、2030年までに100カ所に増やすことを目指します。
実施される主な対策には以下のようなものが含まれます:
- 生活道路の渋滞緩和策の実施
- 観光客向けマナー啓発活動の強化
- 人気観光地への入域者数制限の導入検討
- 交通手段の拡充による地方への観光客誘導
民泊規制と価格設定の見直しも検討
さらに、不適切な運営を行う民泊事業者への対応を厳格化する方針も示されました。また、公的施設において、訪日客や地域住民以外の観光客に対して割高な入場料を設定する「二重価格」制度を導入しやすくするための指針作りも検討されます。
政府関係者は「観光立国を推進する一方で、地域住民の生活環境を守るバランスが重要だ」と述べており、持続可能な観光政策の実現を目指す姿勢を強調しています。今回の基本計画は、量的拡大から質的向上への転換を図る観光政策の転換点となることが期待されています。



