2025年出生数67万人、中部地方で一部持ち直しも出生率は過去最低更新
2025年出生数67万人、出生率1.14で過去最低

厚生労働省が3日に公表した人口動態統計(概数)によると、2025年に国内で生まれた日本人の子どもの数(出生数)は67万1236人で、過去最少を記録した。前年比では1万4937人(2.2%)の減少となった。また、女性1人が生涯に産む子どもの推定人数を示す「合計特殊出生率」は0.01ポイント低下の1.14となり、こちらも過去最低を更新した。出生数と出生率はともに10年連続で減少しているが、近年に比べて減少幅は縮小している。全国47都道府県のうち13県では、前年を上回る出生率を記録した。

中部地方の状況:持ち直しの兆しも

中部地方では、一部の県で出生率に改善の動きが見られた。三重県の出生率は1.26で、前年から微増した。県は市町村に対して総額3億円規模の補助金を新設し、独自の子育て支援策を後押ししてきた。本年度からは、夏休み期間中などに子どもの居場所を提供する取り組みを支援する補助金も新たに設けている。県の担当者は「婚姻件数がコロナ禍で落ち込んだ後、回復の兆しが出てきた」と説明する。出会いの機会を増やすため、2月からは人工知能(AI)を活用したマッチングシステムの本格運用を開始。5月末時点で約1000人が申し込んでおり、独身証明書の提出を求めるなどの厳格な運用のもと、交際に至った利用者からは「安心感があり、一歩踏み出せた」との声が寄せられているという。

福井県の出生率は微減したものの、1.45で全国3位を維持した。出生数4314人のうち、第2子が1636人を占め、2人以上の子どもを持つ傾向が強い。県の担当者は「第2子以降の保育料無償化や不妊治療への手厚い助成などの支援策が一定の成果を上げている」と分析している。

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愛知県と岐阜県:減少続く

一方、愛知県の出生率は前年の1.20からさらに低下し、7年連続の減少となった。県の担当者は「未婚化と晩婚化の進行が主な原因」と指摘する。背景には、コロナ禍を経た価値観の変化や出会いの機会減少に加え、結婚や子育てに対する経済的・心理的な負担感があるとみられる。また、自身のキャリアを重視するなど多様な価値観を持つ人が集まりやすい大都市特有の側面も影響している可能性があるという。県は婚活イベントや育児休業取得促進、不妊治療への助成などに取り組むが、「特効薬はなく、多方面で施策を進めるのが重要」と担当者は強調する。下落幅は前回より小さくなっており、「施策の効果が一定程度現れている。まずは減少幅を抑え、その先に反転につなげたい」と述べた。

岐阜県の出生率は1.23で、前年から0.04ポイント減少した。江崎禎英知事は3日の定例会見で「若い女性から選ばれる地域にならなければならない。そうなっていないことが数値に表れた」と危機感を示した。県は週20時間程度を目安とする「超時短勤務」を導入する企業に補助金を支給するなど、子育て中の女性が働きやすい職場環境づくりに力を入れている。知事は「若者の県外流出を防ぐには、仕事の数を増やすだけでは不十分。やりたい仕事、それぞれの力を発揮できる環境をつくらなければならない」と述べた。

静岡県:9年ぶりの上昇

静岡県の合計特殊出生率は1.21で、前年を0.02ポイント上回った。上昇は2016年以来9年ぶり。一方、出生数は1万7092人で前年比2%減だった。県こども政策課の芦澤裕之課長は「長期的に少子化の傾向には変わりない」と受け止め、「出会いから子育てまで切れ目ない支援を今後も充実させるとともに、少子化を前提とした適応対策にも取り組む必要がある」と話した。県の出生率は2016年に前年比0.01ポイント増の1.55となった後、2024年まで8年連続で下落していた。

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