奈良市の世界遺産・薬師寺で、2年ぶりとなる「目で観(み)る刀の教科書展 噂(うわさ)の刀展Ⅵ」(日本刀剣博物技術研究財団主催、同寺共催)が開かれている。食堂(じきどう)に並んだ展示ケースや、実際に刀を手にできる体験会場に、同財団所蔵の日本刀、200本以上が並び、訪れたファンの注目を集めている。
「噂の刀展」の歴史と目的
「噂の刀展」は、刀をキャラクター化したゲームの人気などで刀剣ファンが増える中、日本刀愛好者の裾野を広げる活動をしている同財団が「鑑賞のポイントなど、教科書的な知識を身につける機会になれば」と2016年にスタートした。コロナ禍による中断などを経て、薬師寺を会場にこれまで5回開催されてきた。
展示の見どころ
平安時代の刀鍛冶(かじ)・安綱の作とされる通称「般若丸(はんにゃまる)」はコレクションでも最古級の刀で、もう1本の安綱と並べて展示されている。豊臣秀頼から真田幸村に下賜(かし)されたと伝わる正宗(鎌倉時代後期)、伊達政宗が徳川家康から拝領した刀で、ゲームで有名になった「大倶利伽羅広光(おおくりからひろみつ)」(南北朝時代)などの名刀の数々も並ぶ。
さらに、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に用いられた刀など、歴史的に貴重な刀剣も展示され、刀剣ファンならずとも見逃せない内容となっている。
体験イベントも充実
会場では、実際に刀を手に取って鑑賞できる体験コーナーも設けられ、来場者は刀の重みや造形を間近で感じることができる。刀剣の研ぎ方や手入れ方法を学べるワークショップも開催され、初心者から上級者まで楽しめる工夫が凝らされている。
「噂の刀展」は、刀剣の魅力を広く伝えるとともに、日本の伝統工芸への理解を深める場として、今後も継続的な開催が期待されている。



