歌人・淀美佑子の耽美的青春 女子校で育んだ文学的感性と独自の世界観
淀美佑子の耽美青春 女子校で育んだ文学的感性

耽美的な脳内恋愛が育んだ歌人の原点

笠間書院から第一歌集「ツガイムスビ」を出版した歌人の淀美佑子。その作品には、思春期から青春時代、そして現在までの「性」や「恋愛」をテーマにした歌が並び、読む者の心を潤す深みがある。和服も着こなす上品な佇まいながら、人生経験の豊かさを感じさせる淀美さんは、女子校時代に培った独自の感性を今に活かしている。

生まれる前から決まっていた進学先

「この学校に進学することは生まれる前から決まっていたんです」と語る淀美さんは、歴史あるお寺に生まれ育った。祖父母は学歴意識が高く、祖母は女学校育ちで、女の子は日本女子大学に行かせるという方針だったという。当時は女子教育の最先端とされた同校に、淀美さんは幼稚園受験で合格。面接の練習をさせられ、「日本女子大学附属豊明幼稚園」という呪文のような名前を覚えた思い出を明かす。

お嬢様が集う環境と独特の人間関係

幼稚園から大学まで通った生粋の日本女子大学育ちの淀美さん。バブル期の子供時代は、社長や医者、政治家の娘など、お嬢様が多く、家庭にテニスコートやプール、孔雀を飼っている家もあったという。地頭が良く見た目も良い子が多く、小学生ながら政治力で先生を操る子もいた。幼稚園から大学まで同じ環境にいたため、嫌いな子とも縁が切れない独特の人間関係が、処世術を鍛える場となった。

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男女交際よりも耽美的な脳内恋愛

女子校時代、淀美さんは男女交際よりも、小説を通じた脳内恋愛に没頭した。中学時代からフランス文学に夢中になり、マルキ・ド・サドやポーリーヌ・レアージュの『O嬢の物語』など耽美的な作品に惹かれた。谷崎潤一郎や川端康成、江戸川乱歩など、文学に登場する「変態」たちに親近感を覚え、当時流行した「やおい」漫画の二次創作にも触れた。一方で、電車内での痴漢被害が多く、男性への怒りが植え付けられた経験も語る。

ルーズソックスブームへの抵抗感

高校時代は女子高生ブームでルーズソックスが流行したが、淀美さんはこれに強く抵抗した。歌集には「女子校の教室せまし頑なにルーズソックス拒みしわれに」という歌も収められ、軽薄な同調圧力に迎合しないプライドが感じられる。お寺の娘として10代から達観した視点を持ち、自分の意思をはっきり示す姿勢を育んだ。

女子校で培った自己表現の強さ

「女子校に通ってよかったのは、自分の意思やスタンスをはっきり示せるようになったことですね」と淀美さんは振り返る。女子校ではお互い本心をさらけ出す環境があり、苦手なタイプの人は寄ってこず、仲良くできる人だけがそばにいるという。幼稚園から大学まで「箱入り娘」だったが、その箱は箱庭療法のように、好きなだけ自分の世界を表現できる安全な空間だった。

淀美佑子の耽美的な青春は、女子校という環境で育まれた文学的感性と、独自の世界観を形作る礎となった。その経験は、今も短歌に表れる強さと繊細さの源となっている。

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