日本現代詩歌文学館(岩手県北上市)は23日、北原白秋や萩原朔太郎など、明治から昭和にかけて活躍した詩人たちの自筆原稿66点が新たに発見されたと発表しました。これらの原稿は、白秋の弟子であった歌人の自宅に長年保管されていたものです。
白秋の原稿に推敲の跡
特に北原白秋の原稿には、多くの推敲の跡が残されており、専門家は「複雑なプロセスを経て詩が成立する様子がはっきりと見えてくる」と高く評価しています。発見されたのは、白秋の詩集『白金之独楽』(1914年)と『わすれなぐさ』(1915年)の原稿です。
他の詩人の原稿も確認
また、白秋とその弟が興した出版社「阿蘭陀書房」が発行した芸術雑誌『ARS』(1915年)に寄稿された、室生犀星の「桜咲くところ」、萩原朔太郎の「春夜」と「ありあけ」、山村暮鳥の「図案」と「椿」の原稿も確認されました。
東北大学名誉教授の佐藤伸宏氏(近代詩)は、「犀星、朔太郎、暮鳥は白秋門下の有力な詩人たちです。彼らの原稿はくせ字でありながら、丁寧な書きぶりから白秋への敬意がよく感じられます」とコメントしています。
原稿の由来
これらの原稿は、白秋の弟子で歌人の中村正爾(1897~1964年)の千葉県船橋市の自宅で保管されていました。中村の遺族から2025年春に日本現代詩歌文学館へ寄贈されたものです。



