スモーキングルーム第155回:純血種の忠誠と追従者の相克を描く千早茜の近未来小説
スモーキングルーム第155回:純血種の忠誠と追従者の相克 (26.02.2026)

スモーキングルーム第155回:純血種の忠誠と追従者の相克

千早茜による近未来小説「スモーキングルーム」の第155回が公開された。本作は、権力と服従、忠誠と追従の心理を鋭く描く作品として注目を集めている。

純血種部隊と青少年団の敬礼

物語は、曲がり角から党の腕章をつけた青少年団の一群が登場する場面から始まる。彼らは将校とその部下二人に気付くと、一斉に踵を合わせて止まり、右手をまっすぐに伸ばして敬礼を行う。凛々しく美しい金髪碧眼の青少年たちは、選ばれた者たちとして描かれる。将校が敬礼を返すと、彼らは足並みを揃えて颯爽と去っていく。

その毅然とした従順さは、総統が可愛がっている純血種の犬を彷彿とさせる。作中では「素晴らしい」と称賛され、犬は自死を選択しない忠誠心の賜物として対比される。将校自身も金髪碧眼であり、彼が所属する隊は金髪、青い眼、高身長が求められ、三代前まで遡って血統を調べ純血と認められなければ入れない。さらに、彫りが深く鼻梁の通った顔立ちに、後頭部に丸みを帯びた美しい頭蓋骨であることが望ましいとされている。

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街の様子と住民の反応

将校はこれらの条件をすべて満たしており、隊の長官から「品種基準を満たしている」と褒め称えられた。彼は総統への忠誠を誓っている。街では、人々が歩道を逸れて将校たちに道を譲る光景が見られる。至る所で党の赤い旗がはためき、党の腕章をつけた者たちが敬礼する。将校は頷くだけで敬礼を返さない。

住民は大歓声で総統の演説に応えるが、将校はこの街のほとんどが忠誠を誓っていないと考える。彼らは追従しているだけであり、忠誠による服従でなければ意味がないと感じている。自国では入隊希望者が後を絶たないと聞くが、総統が小さな政党の党首だった頃、演説を「地方の太鼓たたき」と揶揄していた日和見が恥じらいもなく入党してくる。

財界人と元王侯貴族の動向

財界人や元王侯貴族たちもすり寄ってくる。隊の長官は「後援者が増えるのはありがたい」と言い、見返りとして収容所のJを「倒れるまで使っていい」と労働力として提供している。将校は口には出さないが、彼らを甘い汁を吸いたいだけの追従者共と見下している。

作中では、忠誠とは敬愛であり、尊敬なくして成り立たないと強調される。忠誠心のない者は信用に値しないというメッセージが込められている。この回は、権力構造と個人の心理を深く掘り下げ、読者に考えさせる内容となっている。

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