大相撲春場所、大関安青錦の綱取りに注目 関西出身力士の活躍も期待
大相撲春場所、安青錦の綱取りと関西力士に注目

大相撲春場所が大阪で開幕 安青錦の綱取りに注目

2026年3月8日、大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)で大相撲春場所の初日を迎える。最大の見どころは、大関安青錦(21歳、安治川部屋)の横綱昇進への挑戦だ。関西大学にゆかりがあり、ウクライナから避難して来日した異色の経歴を持つ力士の活躍に、ファンの期待が集まっている。

安青錦、歴史的快挙を目指す

安青錦は、2026年1月場所で2場所連続優勝を達成し、新関脇、新大関での連覇は双葉山以来89年ぶり2人目の快挙となった。記者会見では「しっかり稽古して、もっと色んな部分で成長できればいい」と意気込みを語った。春場所で横綱昇進を決めれば、大関の2場所通過は昭和以降で双葉山、照国と並ぶ最速タイとなる。初土俵から所要16場所での昇進は、年6場所制以降では朝青龍の25場所を大幅に塗り替える新記録だ。

関西出身力士の活躍に期待

大阪出身の宇良(33歳、木瀬部屋)は、初場所で4勝11敗と不振だったが、独特の業師ぶりと全力の取り口は健在。地元での巻き返しを図る。京都出身の藤ノ川(20歳、伊勢ノ海部屋)は、初場所で2桁白星を挙げ、上位総当たりとなる地位に番付が上がりそう。出身地を京都市に改め、「大阪では特に良い相撲が取れるようにしたい」と意気込む。

近大出身の元大関・朝乃山(31歳、高砂部屋)は、2度の三段目転落から再入幕し、初場所で優勝争いに加わった。左膝手術を経て復活した実力者は、「自分の相撲で元気、勇気を届けられれば」と大阪のファンに雄姿を披露する。豪ノ山(27歳、武隈部屋)や朝紅龍(27歳、高砂部屋)も大阪出身で、故郷の後押しを受けた活躍が期待される。

春場所の「波乱」ドラマ

春場所は「荒れる春場所」と称され、体調管理が難しい季節の変わり目とされる。平幕優勝の回数は1958年以降で3回と少ないが、印象的な波乱が多い。2000年には横綱若乃花が引退表明し、幕尻の貴闘力が優勝。2017年には新横綱稀勢の里が負傷しながら逆転優勝を果たした。2024年には尊富士が110年ぶりの新入幕優勝を達成している。

横綱昇進のデータでは、1949年夏場所以降に昇進した横綱35人のうち、春場所で綱取りに成功したのは1959年の朝潮と2014年の鶴竜の2人だけ。最近では栃東、琴奨菊、貴景勝らが失敗しており、安青錦がこの験の悪いデータにどう立ち向かうかが焦点だ。

関西の春の風物詩

力士たちが関西に乗り込み、街にびんつけ油の香りが漂い出すのは春の風物詩。宿舎での朝稽古を見学できる相撲部屋も多く、場所前から力士たちの調子を見定める楽しみもある。年に一度の大相撲ドラマが、浪速の街に春を告げる。