新濱立也、骨折乗り越えミラノ五輪で6位入賞「自分の今の100%」納得の滑りに涙
新濱立也、骨折乗り越えミラノ五輪6位「今の100%」

ミラノ五輪男子500mで新濱立也が6位入賞 骨折の苦難乗り越え納得の滑り

2026年ミラノ・コルティナオリンピック第9日の2月14日、スピードスケート男子500メートル競技が行われ、新濱立也選手(高崎健康福祉大学職員)が34秒466のタイムで堂々の6位入賞を果たしました。優勝はジョーダン・ストルツ選手(アメリカ)が五輪新記録となる33秒77で飾り、日本勢では森重航選手(オカモトグループ)が10位、倉坪克拓選手(長野県競技力向上対策本部)が19位となりました。

「体の使い方が変わってしまっている」苦難の道のり

新濱選手の目は真っ赤に染まっていました。6位という結果には当然悔しさもありましたが、それ以上の深い感情がこみ上げてきたのです。「このスタートラインに立てたこと自体に価値があった。けがなくゴールラインを切れたことが何よりも大きい」と語りました。

レースでは100メートル通過時点で全体8位の9秒60と、理想的な加速とは言えませんでした。しかし残り400メートルでは大きなミスを犯すことなく、安定したスピードを維持してゴールに飛び込みました。34秒466というタイムについて、新濱選手は「自分の今の100%」と表現し、手をたたいて納得の表情を見せました。

交通事故と腰椎骨折の二重苦を克服

新濱選手のここまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。昨年4月には自転車トレーニング中の交通事故で顔面骨折などの大けがを負い、さらに一昨年には腰椎骨折も経験しています。事故後は膝が十分に曲がらず、「リンクに戻ることすら厳しいと思った。ミラノ五輪に出場できるのか、ずっと考え続けていた」と当時を振り返ります。

退院後も練習には様々な制限がかかり、顔にはしびれが残り、左腰には強い張りが頻繁に現れるようになりました。「体の使い方が根本から変わってしまっている」という状態で、レースで本来の力を発揮できない日々が続いたのです。

北京五輪の挫折から精神的成長

前回の北京オリンピックでは優勝候補とされながらスタートに失敗し、20位に終わりました。その時のふがいなさに涙した新濱選手ですが、そこから数々の苦難を乗り越え、夢の舞台に再び帰ってきました。

「本当に精神的に強くなった。だからこそ今のベストをここに持ってこられた」と語る新濱選手。4年前とは全く異なる種類の涙が頬をつたいました。骨折という身体的苦痛と、それに伴う練習制限という二重の壁を突破した達成感が、6位という順位以上の価値を生み出したのです。

女子団体追い抜きも好調

同日行われた女子団体追い抜き1回戦では、高木美帆選手(TOKIOインカラミ)、佐藤綾乃選手(ANA)、堀川桃香選手(富士急)の3人で臨んだ日本チームが全体2位の好成績を収め、順調に準決勝へ進出しました。

新濱立也選手の6位入賞は、単なる順位以上の意味を持っています。それは逆境を乗り越える人間の強さと、あきらめないことの価値を如実に示すものとなりました。冬季オリンピックの舞台で、一人のアスリートが身体と心の両面で成し遂げた大きな勝利と言えるでしょう。