プロボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一戦が2日に行われ、井上尚弥(大橋)が中谷潤人(M.T)を破り、32戦全勝同士の“世紀の一戦”を制した。試合後、父でトレーナーを務める真吾さんが井上家の信条や心境の変化について語った。
「なめるな」の反発と井上家の信条
試合前、「中谷なら、あるいは」という周囲の声に対し、井上尚弥は「なめるな」と反発していた。父の真吾さんも「私も同じ意見。なめるな。尚弥に勝てるわけがない」と語る。井上家の信条は「強い相手としか戦わない。負けても、相手が強いのだから仕方ない」というもの。強敵を探して対戦を重ね、すべてを倒してきたからこそ、井上尚弥は「モンスター」になったのだ。
父親としての心境の変化
しかし、井上尚弥が30歳でスーパーバンタム級4団体統一を遂げたころから、真吾さんの心境に変化が生じたという。「そろそろいいんじゃないか、と。十分に成し遂げた。無敗で健康なまま引退してほしい」と、父親として引き際を探るようになった。そんな中で巡ってきたのが、今回のビッグマッチだった。
非情さとチームの成熟
真吾さんは、試合後のインタビューで「尚弥には非情さが必要だ。相手に同情していては勝てない。今回の試合では、その非情さがよく出ていた」と評価。また、「チーム全体の成熟も感じた。セコンドの指示や戦略が完璧で、尚弥も冷静に対応していた」とチームワークの向上を強調した。
中谷は身長が8センチ高く、リーチでも優位に立っていたが、井上尚弥は接近戦で圧倒。ボディ攻撃と正確なパンチで中谷の動きを封じ、最終的には判定で勝利した。真吾さんは「中谷は確かに強い選手だが、尚弥の経験と技術が上回った」と振り返った。
井上尚弥は今後、さらなる階級上げも噂されているが、真吾さんは「まずは休養が必要。家族と相談して決める」と慎重な姿勢を見せた。父親としての愛情と、トレーナーとしての厳しさのバランスが、井上尚弥の成長を支えているようだ。



